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2021 年度 実績報告書

「政体」としてのEUの成果と課題―制度的発展とEU市民の意識をめぐって

研究課題

研究課題/領域番号 21J10746
研究機関同志社大学

研究代表者

佐竹 壮一郎  同志社大学, 法学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2023-03-31
キーワードEU / 「首都」 / 政体 / 強靭性
研究実績の概要

本研究の目的は、統合と分断を同時代的に経験している「政体」としてのEUがEU市民にとって何を意味するのかについて、「政体」研究の中核に位置するナショナリズム論を応用し、明らかにすることにあった。本年度は、2つの作業を執り行った。
第1に、EUにおける「首都」構築をめぐる研究である。一般的に、主権国家の成立や発展には必ず首都が登場する。本研究では、首都の役割を機能的側面と心理的側面から捉え、それをEUの「首都」と形容されるブリュッセルに応用することで分析を進めた。分析を通じて、21世紀に入るとともにEUでは心理的機能を重視した「首都」構築が進められたことが明らかになった。その一方で、EUはその設立当初から共存意識の不十分さという問題を抱えていることも示された。特に、2000年に掲げられた「多様性の中の統合」を進める過程で、多様性を構成する要素同士の摩擦がこの20年間で確認されるようになった。ブリュッセルでの施設整備のイニシアティブから運営に至るまでの変容はそのズレを表していたのであった。
第2に、EUにおける変化と現状維持の政治力学に関する研究である。長期にわたる統合の中で、EUは異なる顔を私たちに見せ続けてきた。とりわけ、21世紀のEUでは、①危機の常態化、②2つの非指導者層(合理的なEU市民・「真の人民」)の台頭という現象が生じたことからレンズの調整が求められていた。そこで、これらの検討を通じて、「政体」としてのEUにおいて統合に対する動機が交錯している様相の解明を進めた。研究結果として、統合と逆統合の中で揺らぎ続ける変動の激しいEUというよりは、非指導者層らによって加えられる変化の圧力の下でも、現状維持の力学が強く働いているEUの姿が確認された。本研究により、EUの強靭性は経済的危機等からの回復だけでなく、非指導者層の要求に対する現状維持の政治力学が働いている状態をも意味することが明らかにされた。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 「独特な」政体を表象する場としてのブリュッセル : EUの「首都」構築をめぐって2022

    • 著者名/発表者名
      佐竹 壮一郎
    • 雑誌名

      同志社法学

      巻: 73 ページ: 2005~2046

    • DOI

      10.14988/00028739

    • オープンアクセス
  • [学会発表] EUにおける政治参加の形:欧州市民発議とシティズン・ダイアログをめぐって2022

    • 著者名/発表者名
      佐竹壮一郎
    • 学会等名
      国際政治統合研究会
  • [学会発表] 「独特な」政体を表象する場としてのブリュッセル:EUの「首都」形成をめぐって2021

    • 著者名/発表者名
      佐竹壮一郎
    • 学会等名
      地域紛争研究会

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公開日: 2022-12-28  

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