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2021 年度 実績報告書

新規阻害剤の創製を基盤とするミトコンドリアVDAC1の生理的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21J10772
研究機関京都大学

研究代表者

運天 優歩  京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2023-03-31
キーワードフサラミン / ミトコンドリア / 電位依存性アニオンチャネル
研究実績の概要

申請書の年次計画に基づき、フサラミンのトシル化学リガンドFS-1を合成した。合成したFS-1を用いて出芽酵母ミトコンドリアにおけるATP生産活性を精査したところ、天然型のフサラミンに対して阻害活性が大幅に低下した。FS-1のトシル化学構造が阻害活性低下の原因であると考え、光親和性標識基であるトリフルオロメチルフェニルジアジリンに変更したpFS-5を設計、合成した。pFS-5を用いてATP生産活性を精査したところ、天然型のフサラミンと同等の阻害活性を示したため、これを標的タンパク質の化学修飾実験に用いることとした。pFS-5を用いてフサラミンの標的タンパク質の同定を行った結果、フサラミンはVDAC1に結合し、ADPの取り込みを阻害することでATP生産を抑制することが明らかになった。また、ATP生産を抑制する濃度域よりもさらに高濃度のフサラミンを作用させると、僅かながらATP合成酵素の阻害を示すことがわかった。光親和性標識によって、ATP合成酵素のbサブユニットを標識していることが確認できた。
以上より、フサラミンは主にVDAC1に結合してADP取り込みを阻害するが、ミトコンドリア内膜に入りATP合成酵素も阻害できるということが明らかになった。ミトコンドリア内のタンパク質に対し複数の標的があることは、テトラミン酸骨格を有するその他の新規天然物でも明らかにしており、これまでの阻害剤に見られない特徴的な作用機構であると結論した。以上の成果を日本農芸化学会Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry誌で報告した。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Natural tetramic acids elicit multiple inhibitory actions against mitochondrial machineries presiding over oxidative phosphorylation2021

    • 著者名/発表者名
      Y. Unten, M. Murai, K. Sakai, Y. Asami, T. Yamamoto, T. Masuya, and H. Miyoshi
    • 雑誌名

      Biosci. Biotech. Biochem.

      巻: 85 ページ: 2368-2377

    • DOI

      10.1093/bbb/zbab176

    • 査読あり
  • [学会発表] 出芽酵母ミトコンドリアを標的とする天然テトラミン酸誘導体 Fusaramin の作用機構研究2021

    • 著者名/発表者名
      運天優歩、村井正俊、坂井克行、浅見行弘、桝谷貴洋、三芳秀人
    • 学会等名
      日本農芸化学会

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公開日: 2022-12-28  

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