研究課題
本研究では、インテリジェント血小板凝集塊識別法(iPAC)を用いた血中の血小板凝集塊の時空間的特徴(大きさ、形状、成分、血中濃度、経時変化など)の迅速・高精度解析による血栓症の病態理解及び抗血栓薬の薬効評価を目指す。まず、動物モデルとしてヤギを用いて、人工肺装着モデルヤギにおける血中の血小板凝集塊形成の比較を行い、さらに血小板凝集塊成分の解析を行うことで、体内で形成された血小板凝集塊の時空間的解析の有用性を示した。昨年の研究で、3頭のヤギで実験を終え、抗血栓薬を投与したときの変化のデータの取得を実施した。今年度からヤギで得られた結果からヒトでのiPAC装置の有用性を検討するため、心臓移植の手術をした患者(3例)で血液サンプルを取って、iPAC装置を用いた血小板凝集塊の画像を撮った。次のステップとして、データを解析して、臨床症状との相関(血小板凝集塊の成分、形態、血中濃度、経時的変化などの違い)を調査する。さらに、昨年のCOVID-19の患者さんのサンプル評価に引き継いで、COVID-19ワクチンによる血小板の影響を調べた。その結果、ワクチン接種後の血小板凝集の傾向は有意に持続せず、ワクチン接種が血小板活性化、血小板凝集、血小板-白血球相互作用に及ぼす影響はいずれも軽微であることが示された(Zhou, Y. et al. Cytometry. 2022. https://doi.org/10.1002/cyto.a.24677)。 これは当初提案では予定していなかったことなので、計画以上の研究の進展があったと言える。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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巻: - ページ: -
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