研究課題/領域番号 |
21J11890
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴本 遼 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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キーワード | 人工衛星 / フォーメーションフライト / 地球リモートセンシング / 合成開口望遠鏡 / 制御実験 |
研究実績の概要 |
本研究では,災害監視などに求められる高解像度観測と高頻度観測を高いレベルで両立させるシステムとして,FFSAT (Formation Flying Synthetic Aperture Telescope) を提案している.FFSAT を実現するためには,観測波長の 1/10 のオーダー(例えば現在想定している観測波長である赤外線では μm オーダー以下)という従来のフォーメーションフライト(衛星編隊飛行)とは比較にならないほど高い精度で衛星間の相対位置・姿勢を決定・制御する必要がある.これまでもFFSAT実現のために,実際のセンサ・アクチュエータを用いた制御実験やそれらの数値モデル化,軌道上実績のあるセンサ・アクチュエータ等の数値モデル化を通じて,FFSAT の高精度数値シミュレータを開発してきた.そのシミュレータを用いて,FFSATに必要な 0.1 μm 級精度の超高精度フォーメーションフライトについての検討や検証を行ってきた. 本年度は,さらに高度で説得力のある検証を行うために,光学系を伴った実験系,つまり地上実験用ミニチュア版 FFSAT の構築とそれによって可能となる実験・検証について検討した.この実験系を用いることで,これまで理想状態を仮定していた光学系に対しても現実に即した状態での検証ができるだけでなく,より複雑な制御則の構築に必要な数値シミュレータのための数値モデルの高精度化も可能になると考えている.今後は,この実験系を完成させ,検討した実験を行っていく.それにより,μm 級以下という極めて高精度なフォーメーションフライト制御技術が必要な FFSAT のフィージビリティを高めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナや半導体不足の影響で,実験器具の納品が遅れたことなどによる.
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今後の研究の推進方策 |
実験系構築については目処が立っているので,引き続き研究を進めていく.
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