研究課題
回転型モーターには、回転子や固定子の他に、トルクを外部に出力するための回転軸と、軸を支える軸受けが存在します。細菌の運動を駆動するべん毛モーターも上記と同様の構造を持ち、細胞内外のプロトン勾配による電気化学ポテンシャルエネルギーをほぼ100%の効率でトルクに変換し、F1レーシングカーのエンジンに匹敵するほどの高速で回転する非常に効率の良いモーターとして知られています。べん毛モーターにおいて軸受け構造であるLPリングは、軸であるロッドを取り囲むようにリング状に存在しています。これら二つはべん毛モーターが機能する際には独立して存在しており、LPリングがどのようにロッドの周りに適切に配置・形成されるのかはわかっていませんでした。本研究では、べん毛モータ形成の中間状態を模擬したポリロッド-Pリング(通常より長く重合したロッドの周りにPリングのみが直接結合した)複合体の立体構造をクライオ電子顕微鏡による単粒子像解析を用いて解析することで、LPリングがロッド周りに自己形成される過程を詳細に調べました。Pリングのロッドに対する傾きを確認した結果、ポリロッド- Pリング状態におけるPリングはロッド-LPリングにおけるPリングより約3°傾いてロッドに結合しており、Pリングがロッドに結合する際はPリングを構成するタンパク質であるFlgIとロッドの一部を構成するFlgGのフレキシブルな領域が足場となることでロッド周りのPリング形成を支えていることが示唆される結果となりました。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Methods in molecular biology
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