Morrey-Lorentz空間に対するスパース分解を対象に研究を行った。スパースとは、互いに素であり体積が同値な可測集合に置き換えられるような、ある程度まばらに散りばめられている立方体の族のことであり、それによる分解を考察し再構成したシャープ極大関数について、Morrey-Lorentz空間上の振る舞いの議論を行った。そのためには、Lorentz空間に対するFefferman-Steinのベクトル値不等式やMorrey-Lorentz空間に対する極大作用素の有界性などの手法を用いた。 その応用として、分数冪積分作用素と可測関数の各点積に対する交換子作用素の端点における指数条件の有界性について、Morrey空間を土台にして研究を行った。すなわち、弱型の有界性であり、可測関数に対して有界平均振動であることが必要十分条件を得ることを方針に研究を行った。その結果、単にMorrey空間を定義域としては得られなかったため、局所可積分性について調節したOrlicz-Morrey空間を導入することで解決した。そのため、Morrey空間だけでなく、Lorentz空間やOrlicz空間といった多くの関数空間の研究を総合して得ることができた。Orlicz空間に対しては、新たにOrlicz平均による極大作用素の弱型の有界性を与え、利用した。
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