研究課題/領域番号 |
21J12656
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
木村 遥 関西学院大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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キーワード | ハーディ・ガーディ / ライアー / ヴィエル / 民俗楽器 / 18世紀 / 音楽学 / 楽器学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、(1)18世紀フランスにおけるハーディ・ガーディ演奏の意義と、(2)この楽器がウィーン古典派の音楽家および音楽作品へ及ぼした影響を解明することである。具体的な研究内容としては、(a)フランスにおける演奏実態と、(b)オーストリア・ハンガリーにおける演奏実態の調査、(c)それらの比較検討であるが、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響を受けて、2021年度は当初の計画を一部変更して研究を遂行した。フランス国立図書館(BnF)をはじめとするヨーロッパの図書館ならびに美術館および博物館での資料収集は、デジタル・アーカイヴの利用や複写取寄にて代替した。しかし、本研究の根幹となる18世紀ドイツ語圏における当該楽器の出版作品数の調査に関しては、現地調査が困難であることから実施することができなかった。当該年度に提出した博士論文は、当該楽器の受容状況および社会的表象性の比較を中心に据えて論じたものであるが、昨今の情勢の煽りを受けて、本研究課題名にもある「18世紀のフランスおよびドイツ語圏におけるハーディ・ガーディの演奏習慣」に関しては副次的な言及に留めざるを得なかった。 当初予定していた方法とは異なるものの、18世紀のハーディ・ガーディの演奏習慣をさらに詳らかにすべく、(i)当時フランスで出版された当該楽器の教本の精読、(ii)当該楽器が上流階層の人びとに演奏されるようになった一因でもあるサヴォワ地方での演奏実態に関する調査、以上2点の課題に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハーディ・ガーディに関連する音楽作品について、フランスおよびドイツにて調査する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により実施できなかった。ただし、これは2020年度末から予測されたことであったため、インターネット上で公開されたデータベースおよびデジタル・アーカイヴを使用して調査を進めた。研究全体としてはおおむね順調に進展しているが、現地での調査に勝るものはないと考える。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響は2022年度にも及ぶ可能性がある。在外研究については、ワクチン接種の進行や当該国の外国人受入状況に大きく左右されるが、とくにドイツ語圏におけるハーディ・ガーディ作品出版状況に関する現地調査は2022年度中に実現したいと考えている。当初の研究計画からは大幅な方向性の変更を余儀なくされたが、在外研究の機会を伺いながら、ヨーロッパ各地の図書館のデータベースおよび美術館、博物館のデジタル・アーカイヴを使用することで研究遂行を目指す。
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