研究課題/領域番号 |
21J12944
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 勇哉 東北大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
キーワード | ジェンダーステレオタイプ / 不安 / 政治行動 / 選挙 |
研究実績の概要 |
2021年度は、研究計画に基づき、ジェンダーステレオタイプと政治行動の研究を中心にサーベイ実験を実施して論文を執筆し、学会発表などに取り組んだ。具体的には、「Gender Stereotypes among Japanese Voters (2021年7月 21-E-061)」を経済産業研究所のディスカッションペーパーとして発表した。学会報告として、2021年5月の日本選挙学会では「男性の、男性による、男性のための政治?-Fragile Masculinityと有権者の投票行動(共同執筆者 Charles Crabtree, 尾野嘉邦)」、2021年7月のJapanese Society for Quantitative Political Science 2021 サマーミーティングでは「Do Voters Prefer Ambitious Female Candidates? (共同報告者 尾野嘉邦)」、2021年9月の日本政治学会では、「女性候補者のキャリアパスと有権者の政治行動(共同報告者 尾野嘉邦)」などを発表した。これらの研究は、それぞれ海外ジャーナルに投稿し、現在査読中である。今年度は、海外のジャーナルから出版された研究はないものの、ジェンダーステレオタイプと政治行動に関する研究では一定の成果を出すことが出来た。 不安と有権者の政治行動に関する研究では、ALPS処理水が日韓の有権者の世論に与える影響を検証した。「自治体DX推進とオープンデータの活用(木村泰知[編著]、日本経済評論社)」の第11章につながった。他にも、福島県民を対象にした復興に関する研究は、「東日本大震災からの復興過程と住民意識-民主制下における復旧・復興の課題(河村和徳ほか、木鐸社)」の第5章として出版された。次年度に実施する生理指標の研究に繋がる成果を挙げることが出来た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ジェンダーステレオタイプと有権者の政治行動に関しての研究では、学会報告をディスカッションペーパーを発表するなど一定の成果を挙げることが出来た。これらの研究は、現在国際ジャーナルへ投稿中である。一方で、生理刺激の研究は滞っている。コロナ禍によって被験者を集めにくくなり、また入構制限などによって場所、機材の確保がままならないためである。そのため、サーベイ調査を中心に有権者が不安を感じる政治現象や政策に関する研究に代替的に取り組んだ。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究では、「①不安感情によるジェンダーステレオタイプの活性化」「②それがどのように投票行動に結びつくのか」の2つを明らかにすることを目的にしている。①に関しては、研究も進み査読結果を待っている状況である。そのため、2022年度は、生理指標を用いた研究を行い②の達成を目指す。
|