研究課題
本研究は当該年度,医用時系列データの事前知識を活用した半教師付き学習手法を提案した.また,それ以外にも医用データの特性に着目したクラスタリングの研究にも従事した.研究実績としては,学術論文2編(筆頭1編,共著1編),国際会議論文筆頭1編に加え,国内発表1件であった.主な成果は以下のとおりである.・医用時系列データの教師ラベルの時間連続性を活用した学習手法の提案時間隣接したデータは同一の教師ラベルに属する可能性が高い,という事前知識を利用する新たな学習手法(Order guided learning)を提案した.内視鏡画像系列からの潰瘍性大腸炎分類の実験を通して,Order guided learningの有効性を確認した.・Order guided learningを有効活用するためのモデルの提案Order guided learningを有効活用するために,Disentangled representation learningを導入したモデルを提案した.医用データは複数の要素(分類対象の疾病,分類対象ではない疾病,撮影部位など)が混在された状態で観測されることが多い.上述したラベルの時間連続性が他の要素にも確認される場合,Order guided learningは悪影響を与える可能性がある.そこで,複数の要素を分解するためにDisentangled representation learningを導入することで,分類対象の時間連続性を有効活用するモデルを構築した.本提案モデルも内視鏡画像系列からの潰瘍性大腸炎分類実験を通して有効性が確認された.この研究成果はMICCAI2021で発表した.
2: おおむね順調に進展している
・医用データが複数の要素が混在された状態で観測されていることによる学習の困難性という,当初の計画では想定していなかった課題に直面したが,それに対応するための学習手法を提案したため・生成問題のための手法の提案・実験までは至らなかったが,分類問題に関しては医用時系列データへ提案手法を適用したところ,予想以上の効果が確認されたため
提案した医用時系列データの半教師付き学習手法の改良や,分類問題以外への応用を行っていく.実際には以下の手順で進めていく.1. 現状の提案手法は学習中にのみ時間情報を利用している.そこで,推定時にも時系列データの時間情報を活用するように手法を改良する2. 提案手法は抽出した特徴量の位置関係とデータ間の時間隣接関係を利用するものなので,分類問題以外への応用も十分に可能である.そこで,異常検出問題やセグメンテーション問題へ応用する
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
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