研究課題/領域番号 |
21J13586
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
相川 脩 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
キーワード | 中赤外レーザー / 遷移金属イオン / カルコゲン化物 / 鉄イオン添加材料 / II-VI族半導体 / パルスレーザー / クロムイオン添加材料 |
研究実績の概要 |
今年度は、遷移金属イオン添加カルコゲン化物材料の一種であり、波長 2-3 μm帯に発光領域を有する Cr:ZnSe と Cr:CdSe を用いたレーザーの発振試験を行った。また、両方の材料を同時に発振器に配置してレーザー発振させることで、波長可変領域を広げる手法を実施し、発振領域の広帯域化を実現した。得られた結果を基に論文にまとめ、2021年12月に"Journal of Crystal Growth" にて報告した。また、2022年3月の国際会議にても報告した。 その後、同じ材料群であり、鉄イオン添加カルコゲン化物材料の一種である Fe:CdTe の各物理パラメータの評価および発振試験を実施したが、励起光源として用いたCr:CdSeレーザーの励起エネルギーが小さいことが判明したため、Cr:CdSe 増幅器を構築して励起エネルギーを増大させた上で、再度 Fe:CdTe の評価を行う方針に転換した。Cr:CdSe 増幅器の報告例はなく、増幅試験の結果をまとめた上で、来年度論文投稿を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していた Fe:CdTe 結晶の各物理パラメータの評価およびレーザー発振器の開発にあたって、励起光源として使用していた Cr:CdSe レーザーの励起エネルギーが、Fe:CdTe 結晶の発光およびレーザー発振に必要なエネルギーよりも小さいことが判明した。そのため、計画を変更して Cr:CdSe 増幅器を構築し、Cr:CdSeレーザーの励起エネルギーを増幅させた上で、再度 Fe:CdTe 結晶の材料評価および発振試験を実施する方針に変更した。以上のことから(3) やや遅れている。という自己評価をした。
|
今後の研究の推進方策 |
Fe:CdTe レーザー実現のために、励起光源として用いる Cr:CdSeレーザーの励起エネルギーを、増幅器を構築することで増大させることに成功した。来年度は、再度Cr:CdSeレーザー励起によるFe:CdTe 結晶の各物理パラメータの評価および発振試験を実施する。
|