研究課題
環状RNA (circRNA) は5'末端と3'末端が結合した環状の構造を有するノンコーディングRNAであり、近年その機能性が着目されているが、食品成分の生体調節作用における役割についてはほとんど不明である。そこで本研究では、多彩な生態調節作用が報告されている緑茶カテキンの主成分であるEpigallocatechin-3-O-gallate (EGCG) のcircRNA発現調節作用をcircRNAの発現が多いと報告されている肝臓に着目して検証するとともに、EGCGにより発現が変動するcircRNAの機能性を解析した。EGCGを10 mg/kg b.w.一週間経口投与したマウスにおける肝臓circRNA発現をマイクロアレイにて包括的に解析したところ、35 種類の circRNA の発現が変動した。その中でも顕著に発現上昇したmmu_circ_0000792をマウス肝細胞NMuLiにベクターを用いて発現増強させ、RNAシーケンスを行った結果、肝線維化や心血管疾患に関与する遺伝子群の発現を変動させた。以上より、EGCGが肝臓において発現調節したcircRNAがその生体調節作用に関与する可能性が示された。本研究成果は近年着目されているcircRNAをEGCGが発現調節することを初めて明らかにしたものである。また、EGCGにより顕著に発現上昇したmmu_circ_0000792は肝線維化や心血管疾患抑制の核酸医薬として期待される。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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