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2021 年度 実績報告書

減少する渡り鳥のフェノロジー同調性の検証及び二次草原の生物多様性指標としての評価

研究課題

研究課題/領域番号 21J13659
研究機関東京大学

研究代表者

水村 春香  東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2023-03-31
キーワード食性 / フェノロジー / 渡り鳥 / 営巣環境 / 節足動物 / 種多様性
研究実績の概要

本研究では、減少傾向にある疎林や草原に生息する開放地性の渡り鳥5種を対象とし、食性とその季節変化、利用資源量を明らかにし、種間の相違を解明すること、営巣環境および植生構造調査を行い、各種鳥類の利用環境の季節変化を明らかにすること、そして営巣場所での節足動物資源量を調査し、節足動物のフェノロジーと資源量を明らかにすることを目的とした。これらをまとめ、開放地性鳥類が果たす二次草原における包括的な生物多様性指標としての機能を検証し、各種希少鳥類の保全に向けた提言を目指す。

本年度は、対象種の営巣環境特性が明らかになり、減少の程度が大きい種ではそうでない種よりも広い空間スケールでの環境要因(草地や裸地といった土地利用)が営巣に関係しており、減少の程度が小さい種ではより狭いスケールの環境要因(下層植生の密度など)が関係していることが明らかになった。開放地性鳥類群集の種多様性には、繁殖初期の5月よりも6月の植生被覆の高さが関係していた。管理方法の面では、火入れによる管理が種多様性に寄与していたが、その効果は火入れの様態によって異なっていた。食物としての節足動物の重要性として、6月以降よりも5月中旬の節足動物の資源量が開放地性鳥類群集の種多様性に貢献することが明らかとなった。

その他、希少種アカモズの個体群の構造やヨタカの営巣に関係する地質的要因に関する解析が進展し、複数の論文が投稿準備中となっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

営巣環境解析や多様性の評価は比較的順調に予定通り行われているが、糞サンプルの収集及び解析についてはサンプル採取が進んでおらず、少し遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

本年度は開放地性鳥類の糞サンプルの採集を重点的に行う。希少種アカモズとヨタカ2種に絞って現地共同研究者とも連携して実施することで、サンプルサイズを確保していく予定である。食性とその季節変化、利用資源量を明らかにし、種間の相違を解明すること、営巣環境および植生構造については、解析をより詳細に進め各種鳥類の利用環境の季節変化や、各種の利用する空間スケールとの関係を検討する。そして営巣場所での節足動物資源量を調査し、節足動物のフェノロジーと資源量の関係を明らかにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The endangered Brown Shrike subspecies <i>Lanius cristatus superciliosus</i> has a male-biased sex ratio and only early arriving males are paired2021

    • 著者名/発表者名
      MIZUMURA HARUKA、KUBOTA KOHEI、HIGUCHI HIROYOSHI
    • 雑誌名

      Bird Conservation International

      巻: First View ページ: 1~8

    • DOI

      10.1017/S0959270921000216

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 二次草原における絶滅危惧 種ヨタカの営巣環境となわばり分布2022

    • 著者名/発表者名
      水村春香、渡邊通人、久保田耕平、樋口広芳
    • 学会等名
      第 69 回日本生態学会大会
  • [学会発表] 二次草原で繁殖する開放地 性鳥類群集と草原の管理方法、植生構造や節足動物相との関係2021

    • 著者名/発表者名
      水村春香、渡邊通人、久保田耕平、樋口広芳
    • 学会等名
      日本鳥学会 2021 年度大会

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公開日: 2022-12-28  

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