研究課題
本研究では、減少傾向にある疎林や草原に生息する渡り鳥5種を対象とし、食性とその季節変化、利用資源量を明らかにし、種間の相違を解明すること、営巣環境および植生構造調査を行い、各種鳥類の利用環境の季節変化を明らかにすることを目的とした。本年度は、対象種の糞DNA分析を行い、断片化した糞からホスト種を同定した(ノビタキなどが検出された)。また希少種アカモズについては、鱗翅目を捕食していることがわかった。絶滅危惧種であるヨタカは、富士山麓の草原全体での分布については草地などの開放的な土地利用の広さが重要である可能性が示唆されたが、生息している草原内では、土地利用の面積よりも地質の違いにより分布が偏ることが明らかとなり、種が利用する空間スケールによって重要な環境要因が異なる可能性が考えられた。よりミクロスケールの営巣環境としては、裸地の存在や岩場のような環境が重要である可能性が明らかになった。特に希少種においては、行動圏が広い種が多く必要な環境条件が空間スケールにより異なるため、様々な空間スケールを考慮することが重要と考えられ種間での相違がみられた。現在、対象種に関する論文1編が査読中であり、ヨタカに関する本研究課題の内容を含む論文を執筆中である。研究実施期間全体において、対象種に関する学術論文を2編(筆頭著者1編、共著者1編)出版することができ、学会発表などは4回以上行った。本課題の目標はおおむね達成できたと考えている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)
. Bird Conservation International
巻: 32 ページ: 78-86
10.1017/S0959270920000556
Bird Conservation International
巻: 32 ページ: 87-94
10.1017/S0959270921000216