本年度の研究期間はわずか2ヶ月余りであったが、その限られた時間の中で、研究成果を得ることができた。具体的には、インパクトファクター付きの学術誌International Journal of Environmental Research and Public Health(雑誌のインパクトファクター=4.614)に論文を掲載することができた。論文のタイトルは「Hesitancy towards the Third Dose of COVID-19 Vaccine among the Younger Generation in Japan」である。日本の若者の新型コロナワクチン3回目接種(ブースターワクチン接種)の接種率の伸びが低調と言われている中、研究室の教授の指導の下、若者のブースターワクチン接種の忌避要因を社会経済的変数を用いて分析した。短い研究期間で出すことのできたこの成果は、特に若い男性に接種忌避の傾向があること、男性には年代別に忌避傾向の違いが大きいこと、また男女を問わず、本来なら最も守られるべき「自身の主観的健康度が低い人」が、ワクチン忌避傾向が高いこと、さらに婚姻状況や、子供の有無、家計収入や家計資産など、社会経済変数もワクチン接種忌避の有無に影響を与える得ること等を明らかにした上で、ワクチン接種のさらなる促進には、全国一律の呼びかけだけではなく、性別・年代別および社会経済的属性ごとに、さまざなアプローチを工夫する必要があることを明らかにした。
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