Acinetobacter baumannii由来LPSに含まれるKdo α-グリコシド構造を立体選択的に合成可能な新規Kdo α-グリコシド化法の確立を行うとともに、本手法の適用範囲の検証を行った。具体的には、Kdo供与体の脱離基の最適化、活性化剤の検討を行うことで反応条件を最適化し、その条件下で種々の糖受容体とグリコシド化反応を行うことで、本手法の汎用性を検証した。その結果、本手法の基質適用範囲は広く、様々な構造のKdo α-グリコシドを高収率かつ完全なα選択性で構築可能であることを見出した。さらに、本手法を用いて病原性細菌であるChramidia psittaciが有する二種のKdo三糖の合成にも成功し、本グリコシド化反応が病原性細菌由来糖鎖の合成に有用であることを実証した。
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