現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
この課題に対し, 当研究グールプでは, 界面材料化学, 結晶成長制御の視点から, 独自の表面構造修飾(パッシベーション)法の開発に取り組んできました. ペロブスカイト太陽電池は, 生じる電荷(正孔と電子)を選択的に各電極に回収するために、発電層であるペロブスカイト半導体層を, p型およびn型の半導体層(電荷回収層)で挟んだ構造となっています. 本太陽電池の発電メカニズムに基づいて考えると, いかに電圧のロスを抑えて, 各電荷を電気エネルギーとして回収できるかが高効率化の鍵となります. そこで本研究では, 各電荷の取り出しに有利な電気双極子モーメントをもつように工夫した2つの分子材料(グリシンとエチレンジアンモニウム)を設計し, これらを用いてペロブスカイト層の上下の表面をパッシベーションする手法を開発しました.
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今後の研究の推進方策 |
これらの成果は, タンデム型ペロブスカイト太陽電池の高性能化にも極めて有用であり, 国内外から注目を集めている. 今後, タンデム型の太陽電池の開発研究にも取り組んでいく予定である. 今後, 鉛フリー材料としてスズ系ペロブスカイト太陽電池のさらなる高性能化も加速するものと期待されます. また, 1.25 eVの狭いバンドギャップをもつ太陽電池でも0.91 Vの開放電圧が得られたことは, 30%を超える光電変換効率を示すタンデム型のペロブスカイト太陽電池の開発研究にも有望な研究成果として注目を集めます.
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