研究課題/領域番号 |
21J15024
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
濱 優人 横浜国立大学, 理工学府, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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キーワード | MIMO / Matched-Filter / Polar符号 / 符号化変調 |
研究実績の概要 |
本研究課題の主目的である符号化massive MIMOシステムにおける低演算信号検出法の設計を確立するべく,最も低演算なMF法を用いたシステムの検討を行った.本年度の研究成果は下記の通りである.
当初の研究計画通り,干渉除去を適用したMF法と符号化MIMO空間多重システムについて,誤り率特性の改善と理論解析を実施した.干渉除去としては従来様々な手法が検討されてきたが,本研究ではMIMOにおいてシンボルの実成分と虚成分が互いに独立とはならない性質を用いることで,新たな手法であるquadrature inrterference cancellation (QIC)を確立した.一方でこの提案手法は誤り訂正符号における符号化率の設計に性能が大きく依存するため,符号化率の設定が柔軟に行えるpolar符号を採用し,理論解析を行うことでシステム全体の最適化を試みた.シミュレーション結果から,MFとQICを組み合わせた提案手法であるMF-QICは,他の信号検出法と比較して演算量を抑制しつつ,極めて良好な誤り率特性を達成可能であることを明らかにした.これらの結果は当該分野で最も評価の高い論文誌の一つであるIEEE Transactions on Wireless Communications (IF:7.016)に採択され,掲載予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当該年度に取り組む予定であった干渉除去を適用した符号化MIMOシステムの設計に関しては年度途中で論文誌に採択されており,次年度実施予定の内容に関しても前倒しで検討を進めることで,当初計画を上回るペースで研究成果が得られているため.
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今後の研究の推進方策 |
計画書で示したとおり,符号化MIMO空間変調システムに対して実用性の高い低演算信号処理手法について検討を行う.またこれらの結果をまとめ,著名な国際論文誌へ投稿を行う予定である.
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