今年度は昨年製作した昇温可能な尿素SCR用可視化実験装置を用いて,数値解析を用いた尿素水挙動を予測するために適用される速度分布を取得した.実験時の管内ガス温度は尿素析出が生じる150℃,200℃とした.その時のガス流れを可視化するために,ナイロン粒子をトレーサー粒子として使用し,PIV解析によりガス流の速度分布を取得した.次に,尿素水の噴霧挙動を可視化するため尿素水自体をトレーサー粒子とし,こちらもPIV解析により速度分布を取得した.その結果,ガス流はガス温度から計算した理論値と同様の速度を示し,管内の速度勾配も乱流の傾向を示した.また,その速度分布と尿素水の速度分布を比較すると,管下方にて尿素水の大幅な速度低下が生じていることがわかった.これは管壁への衝突により尿素水の蒸気化する昇温による影響が表れているものと考えられ,これによりガス流への追従性が著しく低下する粒径まで微粒化されたのではないかと考えた.今後,これらの速度分布をPIV-DDMとして尿素水挙動の予測に適用することで,低コスト・短時間で計算可能なリダクションモデルの開発が期待できる.
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