研究実績の概要 |
本年度の研究の目的は、1)多周波皮膚インピーダンス解析と光電式信号類似度計算方式による血管の位置認識と血管の異常な血行動態の検出の可能性と信頼性を実証すること、2) 多周波皮膚インピーダンス解析と光電式信号類似度計算方式による血流速度推定技術の妥当性を探求し、検証すること、3)開発したセンサーシステムが人間の血管に静脈注射を挿入し、それによる血管の変化の観察と可視化の可能性を検証することである。 昨年度の研究結果に基づいて、皮膚インピーダンス計測とトモグラフィ計算に基づいて多周波皮膚インピーダンストモグラフィ解析とフォトプレチスモグラフィ信号解析法を開発した。小型化可能な生体計測センサを用いたプレチスモグラフ(容積記録)のマッピング技術を開発した(カン、第61回日本生体医工学会大会、2022)。静脈位置認識とターゲット部位の静脈流速推定が安定的に可能であることを検証した(Kang, IEEE EMBC, 2023)。静脈異変検知へつながる、連続的、高周期、低遅延、非侵襲的で低拘束な静脈のモニタリングシステムを実現しました(カン、第62回日本生体医工学会大会、2023)。これらの研究を用いて健康な人を対象とした実験を行い、開発したシステムの安全性と信頼性を検討した(カン、第十回看護理工学会、2022)。 本研究はインピーダンスセンサと光センサを利用して、目標静脈の探索とその静脈の血流量を計測することに成功したため、超音波機器などの現場で使用する静脈血流量計測器より自動的及び連続的に測定できる新しい方法として提案することが可能になったと考えている。また、この方法に基づいて静脈の異常検知の可能性を確認した。このような結果を基づいて、提案型システムで入院患者の静脈状態を把握し、末梢静脈カテーテルの有害事象による負担を軽減することが期待されると考えられる。
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