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2021 年度 実績報告書

健康増進に資する「低酸素環境と熱ストレスを併用したトレーニングプログラム」の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21J15478
研究機関立命館大学

研究代表者

山口 慶一  立命館大学, スポーツ健康科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2023-03-31
キーワード運動 / 低酸素環境 / 暑熱環境 / 健康増進
研究実績の概要

研究代表者らのこれまでの研究や先行研究の結果から、低酸素環境と暑熱環境を組み合わせた「暑熱・低酸素環境」での運動時には、無酸素性エネルギー利用の亢進や活動筋での血流量の増加が示唆されている。無酸素性エネルギー利用の亢進は糖利用の増加を惹起し、インスリン感受性の改善に貢献すると考えられる。また、活動筋での血流量の増加は血管内皮細胞に対する機械的刺激(ずり応力)となり、動脈硬化度の低下や血管内皮機能の改善に繋がることが期待される。
本研究では、暑熱・低酸素環境でのトレーニングが糖代謝・脂質代謝、血管機能などの生活習慣病関連指標に及ぼす効果を明らかにし、健康増進に資するトレーニングプログラムを新たに提案することを目的としている。
現在までに、本研究の実施に必要となる測定手技の習得、予備実験、実験参加者のリクルートが終了した。本研究では血管機能を評価するため、超音波診断装置を用いた血流依存性血管拡張反応の測定手技を習得する必要があり、ここに多くの時間を費やした。
予備実験では、成人男性を対象に低酸素環境(室温20℃、酸素濃度14.6%)または暑熱・低酸素環境(室温30℃、酸素濃度14.6%)において30分間の自転車ペダリング運動(最大酸素摂取量の50%に相当する強度)を行い、運動中の心拍数、血中酸素飽和度、主観的疲労感および暑熱感、運動前後での血流量、血管径、血流依存性血管拡張反応を測定した。暑熱・低酸素環境での運動時には低酸素環境と比較して、心拍数および主観的暑熱感が高値を示した。一方で、運動時の血中酸素飽和度および主観的疲労感は低酸素環境と同程度であった。運動終了直後の血流量は暑熱・低酸素環境が低酸素環境と比較して高値を示した。現在は本実験を実施している段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

感染症対策に伴う施設利用の制限や、血管機能の評価に必要となる測定手技の習得に予想以上の時間を費やしたことから、研究の進行はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

当初の計画よりも進行がやや遅れているものの、倫理申請や予備実験、実験参加者の選定は完了しており、翌年度早々に本実験を実施し、年度内に研究を完遂できる予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Muscle Oxygenation during Repeated Cycling Sprints in a Combined Hot and Hypoxic Condition2022

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi Keiichi、Kasai Nobukazu、Hayashi Nanako、Yatsutani Haruka、Girard Olivier、Goto Kazushige
    • 雑誌名

      International Journal of Sports Medicine

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1055/a-1495-5612

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of combined hot and hypoxic conditions on muscle blood flow and muscle oxygenation during repeated cycling sprints2021

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi Keiichi、Sumi Daichi、Hayashi Nanako、Ota Naoki、Ienaga Koki、Goto Kazushige
    • 雑誌名

      European Journal of Applied Physiology

      巻: 121 ページ: 2869~2878

    • DOI

      10.1007/s00421-021-04738-w

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Combined Hot and Hypoxic Environment during Maximal Cycling Sprints Reduced Muscle Oxygen Saturation: A Pilot Study2021

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi Keiichi、Imai Tomohiro、Yatsutani Haruka、Goto Kazushige
    • 雑誌名

      Journal of Sports Science and Medicine

      巻: - ページ: 684~689

    • DOI

      10.52082/jssm.2021.684

    • 査読あり
  • [学会発表] 暑熱・低酸素環境でのスプリントトレーニングの効果2021

    • 著者名/発表者名
      山口慶一、萱沼星志郎、今井彩乃、林七虹、牧野晃宗、後藤一成
    • 学会等名
      第76回日本体力医学会大会
  • [学会発表] 持久性トレーニング時における着衣による熱ストレスの付加が持久性パフォーマンスの向上に及ぼす影響2021

    • 著者名/発表者名
      山口慶一、岡本紗弥、角大地、牧野晃宗、鈴木智貴、野村彩也香、鈴木妙実、林昭安、藪内梨世、宮坂亜有子、後藤一成
    • 学会等名
      第34回日本トレーニング科学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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