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2021 年度 実績報告書

日本産ヒキガエル属における交雑帯を介した種分化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21J15839
研究機関京都大学

研究代表者

福谷 和美  京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2023-03-31
キーワードニッチモデリング / MIG-seq / 集団遺伝 / 次世代シーケンサー / ゲノムワイドSNP分析 / 分子系統解析 / ヒキガエル / 交雑帯
研究実績の概要

2021年度はまず、種ニホンヒキガエル(亜種ニホンヒキガエルとアズマヒキガエルを含む)とナガレヒキガエルにおいてニッチモデリングを行い、生息適地の推定、生態ニッチの類似性を検証した。2種の生息地データはこれまで研究室で蓄積されてきたフィールド調査の結果から集計した。種ニホンヒキガエルに関しては、ミトコンドリアDNAに基づく解析で認められた各クレードに分けて解析を行った。気温と降水量に係る環境変数を用いて検定を行った。ナガレヒキガエルと側所的に分布する亜種ニホンヒキガエルのクレード間と、ナガレヒキガエルと分布が重複する亜種アズマヒキガエルのクレード間では生態ニッチは有意に異なっていたが、亜種ニホンヒキガエルのクレードと亜種アズマヒキガエルのクレード間では生態ニッチは類似していた。この結果は、ナガレヒキガエルの生態ニッチの分化を示すものである。また、種ニホンヒキガエルとナガレヒキガエル間での同所的な種分化と亜種ニホンヒキガエルとアズマヒキガエル間での異所的な種分化が示唆された。この成果は論文にまとめ国際学術誌に投稿した。
さらに、これまでに得られていたSNPのデータをもとに、種ニホンヒキガエル内での集団遺伝学的解析に取り組んだ。STRUCTURE解析とPCA(principal component analyses)に基づく検定の結果、亜種ニホンニホンヒキガエルとアズマヒキガエルは明瞭な遺伝的分化のあることが支持されたが、両者の間に交雑帯が認められた。この成果は学会で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの影響によりフィールド調査が制限される中、一部研究計画の変更を余儀なくされた為。具体的には、研究室に蓄積されていたデータを用いてニッチモデリングを行い、ヒキガエルの生息適地推定を行った。

今後の研究の推進方策

日本産ヒキガエル属において、RAD-seq法によりゲノムワイド解析を行う。ニホンヒキガエル(Library1)、アズマヒキガエル(Library2)、ナガレヒキガエル(Library3)、ニホンヒキガエルとアズマヒキガエルの分布境界の個体(Library4)の計4つのライブラリを作製する。得られたゲノムデータを解析し、伴性遺伝子を特定し、それぞれの種の核型を特定する。それらの核型が種の境界での繁殖干渉に影響している可能性を検証する。また、集団遺伝構造解析により日本産ヒキガエル属の進化史の解明に取り組む。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 日本産ヒキガエル属の集団遺伝構造2021

    • 著者名/発表者名
      福谷和美、松井正文、吉川夏彦、西川完途
    • 学会等名
      日本爬虫両棲類学会第60回大会

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公開日: 2023-12-25  

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