研究課題
本研究は分子動力学計算を利用した膜貫通αヘリックスペプチド会合体の新しい設計法開発を通し、脂質二重膜内のαヘリックス会合メカニズムを解明することを目的とする。2つの研究プロジェクト(1:分子動力学計算による人工設計膜貫通ペプチドの自己会合過程の解析、2:計算を利用した膜貫通αヘリックスペプチド会合体のde novo設計)を通して、αヘリックス相互作用を基礎とした人工膜タンパク質のde novo設計法の確立と新規膜貫通ペプチド会合体群の創製を目指す。2022年度には、プロジェクト1では事前検討で得られたコイルドコイルペプチドチャネルについて、膜電位存在下でのペプチド会合体の分子動力学計算を実施した。計算したトラジェクトリを分析してイオン電流を見積もり、計算に用いた力場の影響を考慮して補正を行うと、一分子チャネル電流測定で得られた実験値との整合性があることを確認できた。また研究の新たな展開として天然変性領域とαヘリックスを含むタンパク質の分子動力学計算による構造モデリングを行い、共著者として国際誌へ研究成果を発表した。プロジェクト2では新しい構造モチーフについて2量体、3量体ペプチドの候補配列を設計し、脂質二重膜中での構造モデリングと分子動力学計算による構造安定性の検討を実施した。計算は異なる脂質について実施し、構造への影響を予測するための解析を行った。今後、これらの配列の分子動力学計算によるより詳細な構造予測と実験による検証を進めることで新しい構造モチーフに基づくペプチド会合体の創製へつながると考えられる。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Physical Chemistry Chemical Physics
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