| 研究課題/領域番号 |
21K00001
|
|---|
| 研究機関 | 筑波大学 |
|---|
研究代表者 |
横山 幹子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (40302434)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
| キーワード | 知識の組織化 / 領域分析（ドメイン分析） / 存在論 / 図書館情報学 |
|---|
| 研究実績の概要 |
本研究は、文献調査により、存在論的な立場が、図書館情報学における「知識の組織化システム」とその評価にどのように関わってくるかを明らかにすることを目的としている。そして、検討する「知識の組織化システム」としては、「領域分析（ドメイン分析）」と「統合的レベル理論」に基づく「統合的レベル分類」を想定している。当該年度においては、特に「領域分析（ドメイン分析）」を中心に検討した。
具体的には、まず、図書館情報学における「知識の組織化システム」として「領域分析（ドメイン分析）」を主張しているヨーランドの考える「領域分析（ドメイン分析）」がどのようなものであるかを明らかにした。次に、ヨーランドが「領域分析（ドメイン分析）」と親和性が高いと考えている存在論（プラグマティックな実在論と物的一元論）はどのようなものであるかを明らかにした。彼によれば、そのような存在論は、社会的・歴史的視点を認めるにもかかわらず、相対主義や主観主義になることを避けることのできるものであった。それから、ヨーランドの主張する「領域分析（ドメイン分析）」を支えることができる存在論が、ヨーランドの主張する存在論だけなのかということを、パトナムの存在論と「領域分析（ドメイン分析）」やガブリエルの存在論と「領域分析（ドメイン分析）」との関係と比較することによって検討し、「領域分析（ドメイン分析）」と親和性が高く、社会的・歴史的視点を認めたうえで相対主義や主観主義にならない、ヨーランドのものとは異なる存在論も考えられるということを明らかにした。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究において、本年度（2021年度）は、図書館情報学における「知識の組織化システム」としてのヨーランドの「領域分析（ドメイン分析）」と彼の存在論との関係を明らかにすることを目指していた。
その研究計画にのっとり、本年度は、ヨーランドの「領域分析（ドメイン分析）」やかれがその知識の組織化の方法を支えると考えている存在論（プラグマティックな実在論や物的一元論）がどのようなものであるかを、文献調査に基づき明らかにし、また、関連すると考えられる他の存在論とその比較も行った。
そして、そのことについて学会発表を行い、また、学会誌への論文の投稿も行った。
それゆえ、本研究課題については、おおむね順調に進展していると判断できる。
|
| 今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の研究計画としては、「領域分析（ドメイン分析）」以外の「知識の組織化システム」として「統合的レベル分類」を検討し、それと存在論の関係を明らかにし、そのうえで、「領域分析（ドメイン分析）」と「統合的レベル分類」を存在論の視点から比較することを考えている。
そのため、2022年度においては、「知識の組織化システム」としての「統合的レベル分類」と存在論について検討することを目指している。
また、2023年度においては、それらを比較検討する。
以上の研究を、文献調査を中心に進める。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナのため計画していた出張に行くことができず、旅費を物品費に回すことができたため、次年度使用額が生じた。
当該助成金は、2022年度分の物品購入用の助成金に合わせ、研究資料の購入にあてる。
なお、コロナの状況が改善すれば、出張も可能になり、旅費も使用すると考えられ、2022年度の使用計画に大きな変更はない。
|
