現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、①カントの『道徳の形而上学』の第二部「徳論の形而上学的原理」の研究、②現代徳倫理学に関する調査、という二つの柱で研究を行ったが、おおむね予定通りに進捗した。 ①については、原典の精読と並行して、二次文献も広くサーベイし、カントの徳論に関する近年の諸研究だけではなく、Mary J. Gregor (1963), Laws of FreedomやGerhard Lehmann (1980), Kants Tugenden: Neue Beitraege Zur Geschichte Und Interpretation Der Philosophie Kantsなどの古典的研究も一通り参照できたので、この点は順調であった。ただ、こうしたサーベイに基づいて、当該年度内に論文を投稿する予定であったが、投稿期限に間に合わなかったため、次年度に投稿したいと考えている。 ②については、邦訳がある文献だけではなく、Swanton, Christine (2003), Virtue Ethics: A Pluralistic Viewや、Besser-Jones, Lorraine & Slote, Michael (eds.) (2015), The Routledge Companion to Virtue Ethicsなど、未邦訳の著書や論文を読解し、徳倫理学に関する理解を深めることができた。
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