ブレンターノは数学におけるトポロジーを摂取しつつ、空間・時間を色や音や強度などの担い手となる連続体として位置づけた。シュトゥンプフもまた、質から分離不可能だが概念上は区別できる表象内容として空間を捉え、全体と部分の理論を構想している。マイノングは、エーレンフェルスの言うゲシュタルト質を基づけられた内容と読み替え、関係を与える主体の作用に注目し、そこからグラーツ学派の理論が展開したが、ベルリンのゲシュタルト学派は、グラーツ学派が恒常性仮説を前提していると批判した。これらはすべて、現象学はもとより、現代のクオリア理論や美学などからも参照可能な、検討に値する理論的オプションを提供するはずである。
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