研究課題/領域番号 |
21K00022
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研究機関 | 福山平成大学 |
研究代表者 |
上村 崇 福山平成大学, 福祉健康学部, 教授 (50712361)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | いじめ / 哲学対話 / 道徳教育 / 倫理学 / 教育学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「いじめ現象の分析研究」と「いじめ問題の防止を目的とした道徳教育の実践研究」と「哲学対話」を架橋することで、新たな道徳教育プログラムを構築することである。初年度は、いじめ現象の分析研究、いじめの防止を目的とした道徳教育の実践研究、哲学対話研究のサーベイを目的としていた。 道徳教育と哲学対話並びにいじめ問題に関する論文サーヴェイは順調に進んでいる。 道徳教育と哲学対話を統合する研究成果は増えつつあるが、哲学対話を活用した道徳教育の可能性と方向性について初等・中等教育の教員と高等教育の研究者が語り合う場はまだ少ない。そこで日本倫理学会において「倫理的思考と道徳教育」を主題別討議として企画・実施するとともに、初等・中等教育の教員と高等教育の研究者が一緒に議論する「道徳教育discussion」を企画して3回にわたり実施した。 コロナ渦ではあるが、遠隔形式、対面形式など場合によって実施形態を変えながらも、哲学カフェの実践は継続的に行っており、いじめをテーマにした哲学対話も実施している。 道徳教育に関しては、道徳教育に関する記事を雑誌に寄稿するとともに、哲学対話にもとづいた道徳教育の可能性に関する研究成果が2023年に出版される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サーヴェイ作業は図書の購入と論文の収集を行っており、計画的に勧めている。さらに、道徳教育の実践に関しては日本倫理学会を通して本研究内容を告知するとともに、いじめ抑止プログラムの構築について高等教育の研究者や初等・中等教育の研究者にも周知することで、研究計画への協力体制を整備しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の目的は、いじめと道徳教育、哲学対話の概念を「探究の共同体」と「知的安心感」という観点から統合することである。道徳教育に関する初年度の研究成果は2年目に出版される予定である。この道徳教育の研究成果を合わせて、2年目にいじめと哲学対話に関する研究成果も出版物にまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の文献サーベイはインターネットでの検索を利用して文献リストデータベースを作成することに多くを費やしたため、実質的な図書費購入に充てることはしなかった。次年度には実際の図書購入費に充てる。 研究会の企画・実施については、コロナ感染拡大防止の観点からすべてZOOMでの遠隔開催になったため、諸経費がかからなかった。次年度はコロナ感染状況にもよるが、感染防止策を講じながら対面での研究会の開催も企画している。
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