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2023 年度 実績報告書

道徳教育における哲学対話を援用したいじめ現象抑止プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K00022
研究機関福山平成大学

研究代表者

上村 崇  福山平成大学, 福祉健康学部, 教授 (50712361)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード道徳教育 / いじめ / 哲学対話 / 倫理学
研究実績の概要

本研究は、道徳教育における哲学対話を援用したいじめ現象抑止プログラムの開発を目的とする。
本研究では、まずいじめ問題という社会現象がどのような要件で成立しているかが解明された。いじめの構造は、被害者ー加害者ー観衆ー傍観者という四層構造から理解されてきたが、この構造は固定されたものではなく、加害者ー被害者、そして観衆や傍観者さえも流動的であることが文献及び研究会・学会での議論を通した明らかとなった。
次に、特別の教科「道徳」の成立背景をいじめ問題の解決という観点から丁寧に検討した。文献検討を通して、道徳教育を実施がいじめ問題の解決に直接貢献するわけではないという結論に至った。なぜなら、いじめの加害者がいじめを正当化する理論の中には、いじめの被害者の人格攻撃のみならず、いじめの被害者に対する「道徳的非難」も含まれていたからである。道徳言語(ここでは、善・悪、正・邪に関わる価値語を道徳言語とまとめて表現する)は、いじめを抑止するためだけではなく、いじめを正当化する議論としても使われてきたのである。
以上の研究成果をもとに、道徳言語の使用法と、その根拠について哲学対話を通して理解する必要性を明らかにした。人間性を否定することなく、道徳的に相手を非難するためには、道徳的に非難する根拠を自分が明確に自覚した上、相手に対して道徳言語を適切に使用するとことが求められる。道徳教育において哲学対話を援用していじめについて考えるうえでは、道徳の内容項目を複数取り扱いながら、いじめが悪い根拠について多面的に探求することが必要であることが結論づけられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 図書 (2件)

  • [図書] 対話的教育論の探究2023

    • 著者名/発表者名
      小玉 重夫、田中 伸、豊田 光世
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      978-4-13-056239-3
  • [図書] 徳の教育と哲学 : 理論から実践、そして応用まで2023

    • 著者名/発表者名
      立花幸司
    • 総ページ数
      180
    • 出版者
      東洋館出版社
    • ISBN
      4491053782

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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