研究課題/領域番号 |
21K00022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 福山平成大学 |
研究代表者 |
上村 崇 福山平成大学, 福祉健康学部, 教授 (50712361)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ethics / applied ethics / moral education / philosophical dialoague / P4C |
研究成果の概要 |
いじめ現象を抑止するためには、こどもたちが安心して発言できる空間を創出することが何よりも大切である。そのうえで、こどもたちが自分たちの言葉で語り合い、集団を維持する規範を形成する機会を作ることが重要である。いじめは道徳に反するが、「いじめられる人が悪い」、「怠け者だからいじめられるのだ」といったように、いじめを正当化するために道徳が利用される場合がある。道徳を知識として理解しているだけでは、むしろ道徳の知識を悪用していじめを深刻化させる危険性がある。そのために、知的安心感を維持した探究の共同体という哲学対話の理念から、道徳的価値を検討することが効果的であることが研究を通して明らかとなった。
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自由記述の分野 |
ethics
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義としては、いじめ現象を抑止する道徳教育は、哲学対話を通して道徳的価値について多元的、多面的に探求していくことが必要であるということを理論化できた点にある。道徳教育の方法論としては、複数の道徳的価値(内容項目)を取り扱うことを指示する。道徳教育と哲学対話の関連性を理論的に解明することにも一定の貢献ができたと考えられる。 研究成果の社会的意義としては、「建前ではなく本音で語ろう」という発言を実現するためには、哲学対話の知見(知的安心感や探究の共同体という理念)が有効であることを示すことができた点にあると考えられる。この研究成果が哲学対話・哲学カフェの発展につながることを期待する。
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