研究課題/領域番号 |
21K00024
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
近藤 智彦 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (30422380)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ストア派 / プラトン / アリストテレス / ヘレニズム哲学 / ローマ哲学 / 古代後期哲学 / 哲学史 / 古典受容 |
研究実績の概要 |
初年度となる2021年度は、個別トピックの研究を進め、国内外の他の研究者との意見交換のために学会発表を行うとともに、その成果を個々の研究論文としてまとめた。特にストア派におけるプラトン受容に関しては、ストア派によるプラトン『国家』受容の一端を論じた論文'The principle of "doing one's own" in the Platonic-Stoic tradition'をプラトンとその遺産をテーマとした論文集に発表するとともに、帝政ローマ期のストア派の哲学者ムソニウス・ルフスがプラトン『法律』に依拠していた可能性を論じた論文'Plato's Laws in Musonius Rufus and Clement of Alexandria'を国際誌に投稿した(査読を経て掲載決定済)。また、ストア派とプラトン主義の実践倫理に関する二件の学会発表を、いずれも国際会議で行った('Incomplete feminisms of Plutarch and Musonius Rufus', 'Why do we have sex in secret? Sexual shame in later Stoics')。さらに本研究に関連する成果として、雑誌『現代思想』の「自由意志」特集号に寄稿した論文「自己原因と無原因の間:エピクロスからアフロディシアスのアレクサンドロスまで」、中世哲学会のシンポジウム「翻訳としての中世哲学」における連動報告「ボエティウスとアベラールにおけるヘレニズム倫理学」がある。また本研究は、日本におけるこの分野の研究の発展と国際化に貢献するために国内外でワークショップや合評会を企画することも計画に含んでいるが、今年度はその一環として6名の発表者によるオンライン研究会「ギリシア・ローマ・アラビアにおける医学と哲学のつながり」を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初2021年度中に発表を予定していた国際会議のうち一件は開催されなかったが、国際会議で二件、国内学会で一件の発表を行ったほか、英語と日本語の双方による論文の公刊や投稿が続くなど、現在のところ順調に成果があがっている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では2022年度中に海外で研究会と資料収集を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響が続いているため計画変更を余儀なくされる見込みである。その代わりに、国内外の研究者を招きオンラインで小規模の研究会を開くことを検討中である。
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