研究実績の概要 |
三年目となる2023年度も、個別トピックの研究を進め、国内外の他の研究者との意見交換のために研究発表を行うとともに、その成果を個々の研究論文としてまとめた。特にストア派とその周辺(エピクロス派、アカデメイア派)におけるプラトン・アリストテレス受容に関して、8月にライデン大学で開かれた研究会Economic Epistemologies in the Graeco-Roman Worldでは研究発表'Philosophy, oikonomia and economic rationality in Philodemus and Musonius Rufus'を、中国の研究者と共同で企画し9月に復旦大学で開催したシンポジウムSymposium on Virtue and Happiness in Ancient and Medieval Philosophyでは研究発表'Luck, Virtue and Happiness: Ancient and Modern Perspectives'をそれぞれ行った。また、ストア派とプラトン主義の実践倫理に関する二本の論文'Plato’s Laws in Musonius Rufus and Clement of Alexandria'および'The Incomplete Feminisms of Plutarch and Musonius Rufus'が、2023年度中に公刊された。さらに本研究に関連する成果として、川島彬・高橋勇真・野村拓矢との共訳「プロクロス『プラトン『国家』注解』第一論文 日本語訳・注」がある。また本研究は、日本におけるこの分野の研究の発展と国際化に貢献するために国内外でワークショップや合評会を企画することも計画に含んでいるが、今年度も学振PDの川島彬氏と共同で英語によるオンライン研究会Hokkaido Colloquium of Ancient Greek and Roman Philosophyを一回開催することができた。
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