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2023 年度 実施状況報告書

医療・公衆衛生領域における責任概念の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K00025
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

大北 全俊  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70437325)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード責任 / 医療・公衆衛生 / ケア / COVID-19 / 統治 / フローレンス・ナイチンゲール
研究実績の概要

医療・公衆衛生領域における責任概念の検討にあたって、2023年度は、前年度までに公開したCOVID-19対策に関する論考をもとに学会での講演などを活かしつつ内容を再検討した。なかでも、日本における自粛・行動変容を軸とした対策により、リスク・マネジメントを委ねられた個々人の経験の複雑さについて改めて検討を行った。そのことにより、リスク・マネジメントに集約されない責任の捉え方の重要性についてより明確化することができた。これまで国家・社会の責任と個人の責任を区別しながら研究を進めていたが、当該論点について再検討することで、両者の区別はある程度維持しつつも、相互の関連性により注意を向けることに意義を見出した。例えば、個人が担うべき責任に対する国家・社会の責任など、検討するべき新たな論点を見出すことができた。
次に、ケアの倫理の一論点であるケアの責任の配分について、ケアの倫理の議論を参照しながら検討を進めている。同時に、セルフ・ケアの意義も含めて検討するべく、「自己への配慮」などミシェル・フーコーの統治をめぐる議論を参照しつつ検討を継続した。
また、ケアの倫理の研究に通じるものとして、フローレンス・ナイチンゲールの看護ケア論の読解を、自身の博士論文での記述の再検討とともに試みている。ナイチンゲールの看護ケア論における責任概念は、いわゆる応答としての責任とはまた異なる考え方であるが、ケアの責任の配分に関する議論に有益な示唆を与えるものとして読解を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度の半ば(8月)に所属機関の異動があり、その前後は研究を予定通り進めることが難しく遅れが発生した。

今後の研究の推進方策

日本におけるCOVID-19をはじめとする感染症対策を参照軸として、国家・社会の責任と個人の責任の関係性について検討を継続し論文化を進める。
そして、ケアの責任の配分について、ミシェル・フーコーの統治に関する議論などセルフ・ケアの意義の検討を含めつつ研究を進める。また当該研究は、ナイチンゲールの看護ケア論の読解とともに進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度の進捗遅れの理由としても記載したが、年度途中で所属機関の異動があり、研究に遅れが生じたため。
今後の研究計画に基づき、書籍等資料収集、研究会合や学会参加などの経費として使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 新型コロナウイルス流行にみる公衆衛生倫理2024

    • 著者名/発表者名
      大北全俊
    • 学会等名
      文化看護学会第16回学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 医療と公衆衛生の倫理:COVID-19パンデミックの経験から2023

    • 著者名/発表者名
      大北全俊
    • 学会等名
      日本看護倫理学会第16回年次大会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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