研究課題/領域番号 |
21K00033
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小島 優子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (90748576)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ヘーゲル / 生命 / 死 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症のために予定していたドイツへ海外調査に赴くことができなかった。このため、今年度は国内から海外の文献調査を行い、研究論文および研究書籍の収集を行い、資料を整理した。ヘーゲルの自然哲学および法哲学に関する文献を収集し、生命と死に関する関連文献を整理づけた。 ヘーゲル『精神現象学』「宗教」章における「犠牲」の意味について研究論文を執筆し、自己意識が自らの個別性を犠牲にすることを通じて、普遍性と関わっていく過程の分析を行った。犠牲とは、通常、目的のために大切なものを断念して損失を蒙ることと捉えられている。普遍的なもの、全体性のために何かを断念するのだが、その際に、自分自身や自分が価値を見いだすものを断念することによってむしろ普遍的なもの、全体性が生かされることになる。個人が自らの目的を成し遂げるためにはむしろ普遍的なものや、全体性との関わりの中で、損失を厭わずに何かを断念しなければならないことに気づく、その時に「犠牲」がなされることについて考察を行った。 また、広島大学で開催された国際ワークショップにおいて、ヘーゲル哲学における生と死の継承についてドイツ語で発表を行った。参加者とのディスカッションにおいて、新たな視野や文献研究などの知見を得ることにより、研究を進展させることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により移動が制限されたため、予定していたドイツの図書館での文献調査を行うことができなかった。日本国内においても、移動して他地域の図書館で文献調査を行うことも制限されたため、
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今後の研究の推進方策 |
現地出張をしなくとも、文献収集および資料整理等により、研究文献を整理する。また、図書館での現地調査や研究会等への参加によりヘーゲル哲学における生と死の課題に関する県連文献や研究情報を収集することとする。 2023年度から研究室の移動を行ったため、必要となる機器等を購入して研究環境整備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、ドイツでの出張調査、および日本国内での文献調査を行うことができなかったため。
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