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2021 年度 実施状況報告書

ジネーンドラブッディの『集量論複注』第二章にもとづくディグナーガ推理論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00062
研究機関龍谷大学

研究代表者

桂 紹隆  龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (50097903)

研究分担者 吉田 哲  龍谷大学, 経済学部, 准教授 (00644080)
志賀 浄邦  京都産業大学, 文化学部, 教授 (60440872)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードディグナーガ / 集量論(自注) / ジネーンドラブッディ / 集量論複注 / 推理論
研究実績の概要

本研究の目的は、古典期インドにおける認識論・論理学の発展に大きく貢献した仏教論理学者のディグナーガ(ca 480-530)の主著『プラマーナ・サムッチャヤ自注』第2章(自己のための推理章)に対するジネーンドラブッディの『複注』の梵語原典の翻訳研究を通じて、ディグナーガ自身の失われた梵語原典テキストを『自注』を含めて再構築し、彼が批判対象とした当時のインド哲学諸派の推理論との対比の上に、ディグナーガの推理論を体型的に提示することにある。
その目的を遂行するために、吉田哲・志賀浄邦・道元大成・酒井真道・護山真也氏に、ディグナーガの「自説」部分、渡辺俊和氏には世親の『論軌』批判部分、岡崎康浩氏にはニヤーヤ派批判部分、狩野恭氏にはヴァイシェーシカ派批判部分、近藤隼人氏にはサーンキヤ派批判部分、そして片岡啓氏にはミーマーンサー学派批判の部分の『複注』の翻訳・研究、および『自注』の梵語還元テキストとその翻訳研究を担当していただいている。さらに、稲見正浩・小野基・室屋安孝氏には、研究会に参加して、提示された資料に対して、コメントしていただいている。
本来なら、対面による研究会を開催する予定であったが、2021年度は、3月3・4日、8月5・6日、(2022年)2月28日・3月1日の三回にわたって、Zoomによるオンラインの研究会を開催し、ディグナーガの自説を扱う部分の、『複注』校訂テキストで18ページまでの翻訳研究、および対応する『自注』の翻訳研究を完了した。
オンラインのため、海外を含めて、多数の研究者の参加を得ることができて、さまざまな角度から、テキストと翻訳を検討することができた。研究会の成果は、整理して、全ての参加者と共有するため、事後にも多くの有益な意見が寄せられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

学期中にオンラインの研究会を開催するのは、困難であったので、長期休暇中に開催が限られたため、予想したペースで翻訳研究の検討を行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

本年度は、長期休暇以外にも、オンラインの研究会を開催するなど、開催日数を増やすして、ペースアップする予定である。できれば、対面による研究会も開催したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で予定していた対面による研究会を開催することができなかったため、「旅費」の支出を消費することがなかったので、多額の未使用が発生した。
本年度は、対面による研究会を開催することにより、旅費が消費できると考えている。
なお、将来的には、現在予定している三年間の研究期間を四年間に延長することも考慮している。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 龍樹における存在と言語 --羅什の視点から--2022

    • 著者名/発表者名
      桂紹隆
    • 雑誌名

      東洋の思想と宗教

      巻: 39 ページ: 1-21

  • [雑誌論文] 欺かない認識 --Pramanaavattikalamkara ad PV II 1 和訳研究--2022

    • 著者名/発表者名
      稲見正浩
    • 雑誌名

      プラジュニャーカラグプタ研究

      巻: 2 ページ: 27-137

    • 査読あり
  • [雑誌論文] プラジュニャーカラグプタによる刹那滅の証明―Pramnavarttikalamkara ad PV IV 283 和訳研究―2022

    • 著者名/発表者名
      酒井真道
    • 雑誌名

      プラジュニャーカラグプタ研究

      巻: 2 ページ: 265-294

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The theory of demonstration in the Nyaayabhaasya: the preceding stage of Dignaaga's apoha theory2022

    • 著者名/発表者名
      狩野恭
    • 雑誌名

      Indian linguistic studies in honor of George Cardona

      巻: 2 ページ: 459-488

  • [雑誌論文] Salikanatha's Theory of the Sentence-referent.2022

    • 著者名/発表者名
      片岡啓
    • 雑誌名

      Indian linguistic studies in honor of George Cardona

      巻: 1 ページ: 531-556

  • [雑誌論文] 梵文和訳『阿毘達磨集論』(6)―アーラヤ識の存在論証―2021

    • 著者名/発表者名
      吉田哲、早島慧他
    • 雑誌名

      インド学チベット学研究

      巻: 25 ページ: 63-103

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 龍樹における存在と言語 --羅什の視点から--2021

    • 著者名/発表者名
      桂紹隆
    • 学会等名
      早稲田大学東洋哲学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 近世日本の『因明正理門論』研究2021

    • 著者名/発表者名
      稲見正浩
    • 学会等名
      日本印度学仏教学会第72回学術大会 パネル発表C 漢訳『因明正理門論』
  • [図書] シャーンタラクシタ『真実集成』の原典研究―業報・論理・時間―2022

    • 著者名/発表者名
      志賀浄邦
    • 総ページ数
      582
    • 出版者
      起心書房
  • [図書] 『ニヤーヤビンドゥ』における認識論・論理学の体系―仏教用語の現代基準訳語集および定義的用例集―2022

    • 著者名/発表者名
      道元大成、三代舞他
    • 総ページ数
      414
    • 出版者
      山喜房佛書林
  • [図書] 梵文和訳 華厳経入法界品 上中下2021

    • 著者名/発表者名
      桂紹隆・梶山雄一他
    • 総ページ数
      1,173
    • 出版者
      岩波書店
  • [図書] Meaning and Non-existence: Kumarila's Refutation of Dignaga's Theory of Exclusion. The Apohavada Chapter of Kumarila's Slokavarttika; Critical Edition and Annotated Translation.2021

    • 著者名/発表者名
      Kei Kataoka and John Taber
    • 総ページ数
      268
    • 出版者
      Verlag der Oesterreichischen Akademie der Wissenschaften.

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公開日: 2022-12-28  

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