研究課題/領域番号 |
21K00066
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大村 哲夫 東北大学, 文学研究科, 准教授 (30620281)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | スピリチュアルケア / 宗教的ケア / 接触 / 心理的ケア |
研究実績の概要 |
1.日本宗教学会の学術誌にスピリチュアルケアと倫理の問題について論文を発表した.「接触」を伴う「宗教的ケア」と,非宗教的ケアである精神・心理療法およびスピリチュアルケアを比較し論じている.「信仰」を前提とした宗教的ケアでは接触が多用されるのに対し,信仰を前提としない心理療法では原則として接触を避ける.この違いの意味を論じ,神から人へ癒しを与えるという治療構造から,人と人が対等に向き合いケア対象者の自己治癒的な働きを促す構造への移行があることを明らかにした.「触れることと触れないことースピリチュアルケアにおける倫理的ジレンマー」(『宗教研究』404,pp.55-78) 2.日本スピリチュアルケア学会,日本臨床宗教師会,各地の臨床宗教師会,キリスト教から仏教まで各宗教団体における倫理研修等に招聘され・また担当した.具体的臨床的な倫理問題について現場の課題を知り,意見を集め,よりよい臨床倫理の構築に向けて摸索推進することができた. 3.2021年に上梓した瀧口俊子・大村哲夫・和田信編著『共に生きるスピリチュアルケアー医療・看護から宗教まで』(創元社)では、倫理に関する章を執筆し、日本スピリチュアルケア学会の認定するスピリチュアルケア師の参考書にも指定されるなど成果もあった。 4.幼稚園から中学校などの教育現場,地方自治体までの教育・人権対策(いじめ対策調査委委員等)に参画・協力し,臨床倫理の社会実装に努めた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で対面での会合や調査はオンラインに置き換えたため,旅費等の支出については削減できた.
|
今後の研究の推進方策 |
コロナ禍において出張旅費等の経費支出が抑えられたが,2023年度所属の異動に伴い研究体制を再構築する必要が生じた。海外出張も含めて積極的に研究を推進したい.
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度は,コロナ禍により対面調査が困難であったため,旅費等の支出が抑制できた.次年度は対面調査を再開し,海外調査を含めた研究の推進を計画している.
|