研究課題/領域番号 |
21K00074
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研究機関 | 皇學館大学 |
研究代表者 |
佐野 真人 皇學館大学, 研究開発推進センター, 准教授 (60586098)
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研究分担者 |
塩川 哲朗 皇學館大学, 研究開発推進センター, 助教 (70824530)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 伊勢神宮 / 延暦儀式帳 / 藤原貞幹 / 北川政方 / 神宮文庫 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、神宮文庫所蔵『伊勢両太神宮儀式帳考註』(第1門第10167号)の稿本と、同文庫所蔵『等由気太神宮儀式帳鈔』(第1門第11675号)の稿本を底本として、『伊勢神宮未公刊資料集(文献篇)』として刊行すべく、調査の上で複写申請を行い、複写も基にして翻刻作業を行った。 その他、同文庫に所蔵されている、『伊勢両太神宮儀式帳攷註』(第1門696号、第1門697号、第1門12696号)4冊についても書誌の調査を進め。実施し、解題原稿に反映させた。 また、東洋文庫岩崎文庫と津山郷土博物館所蔵とに所蔵される『伊勢両太神宮儀式帳考註』の写本、宮内庁書陵部図書寮文庫に所蔵される『等由気太神宮儀式帳鈔』の写本についての書誌調査を実施し、翻刻した原稿との対校を実施した。 東洋文庫本には神宮文庫の稿本と比較して脱文が多く見られること、津山本には叙文(序文)の末に神宮文庫の稿本と同じ朱印が二印とも捺されているので、稿本の著者である藤原貞幹の自筆本の可能性があることを確認した。書陵部本『等由気太神宮儀式帳鈔』は明治17年の書写、無窮会本『等由気太神宮儀式帳鈔』は書写年代不明であるが、両書とも稿本と同じ体裁(頭註、欄外の書き足し)で書写が行われていることを確認した。 令和5年度に刊行する予定の『伊勢神宮未公刊資料集(絵図篇)』の構成と、収録史料についての検討を、研究代表者と研究分担者で打合せを実施した。また、近世期ま『延暦儀式帳』関係注釈書の調査を継続的に進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度に刊行予定の『伊勢神宮未公刊資料集(文献篇)』の翻刻原稿の作成、解題原稿の作成が令和3年年度中に終了し、令和4年度の早い時期に入稿し、本格的に編集作業が開始できる状況となったため。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、史料調査先の地域に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されたため、所属機関の方針によって調査が計画通りに実施することはできなかったが、特に大きな問題はなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は神宮文庫所蔵『伊勢両太神宮儀式帳考註』(第1門第10167号)の稿本と、同文庫所蔵『等由気太神宮儀式帳鈔』(第1門第11675号)の稿本を底本として、『伊勢神宮未公刊資料集(文献篇)』として刊行するための編集作業(令和4年5月頃入稿予定)を進めるとともに、宮内庁書陵部図書寮文庫所蔵の御装束神宝図を中心に、伊勢神宮関係絵図の調査を進め。令和5年度に刊行予定の『伊勢神宮未公刊資料集(絵図篇)』(仮)に収録する絵図を決定する。 掲載絵図の決定後に写真撮影・複写申請を実施し、解題原稿の作成を進める。 令和5年度は収録絵図の校正紙と色校正を実施を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、国の「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の発令により、対象地域へは出張を自粛するという所属機関の方針、資料の所蔵機関では発令中は感染防止対策のため閲覧停止とされていたために、調査日数が当初の予定よりも少なくなってしまったこと、調査が行えなかったので、調査をもとにして資料の複写申請が行えなかったこと原因である。 令和4年度は新型コロナウイルス感染症の影響は依然として考えられるが、令和3年度に実施できなかった調査を、当初の令和4年度の調査に加えて実施することで、当初の計画通りの使用ができるよう軌道修正をする。
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