研究課題/領域番号 |
21K00088
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
井柳 美紀 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (50420055)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | デモクラシー / シティズンシップ教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、現代におけるポピュリズムの台頭やネット利用の拡大などを背景として、感情のもつ政治的・社会的ファクターが大きくなる中、市民性教育は感情の問題とどう向き合うべきかを基本的な問題背景とし、デモクラシー論における理性と感情の諸系譜に焦点をあてつつ、一般教養や教養教育の意義などを含め、市民性教育が民主政治の主体形成において果たすべき役割について考察するものである。今年度は、本研究の出発点として、(1)デモクラシーにおける理性と感情の問題を、18世紀のフランス政治に即して検討する議論を学会報告で行った。ここでの基本的課題は、デモクラシーにおけるデモス(民衆)の感情への警戒感が、古代から現代に至るまで共通してみられる中、近代デモクラシーの形成期において、人々の理性や感情は政治の領域においてどう捉えられたのかであり、モンテスキューの『法の精神』、ルソー『社会契約論』、ディドロの政治思想などを中心に検討した。(2)デモクラシーの歴史的系譜をモンテスキュー、ルソー、J.S.ミルなどを追いながら、デモクラシーにとって対面性がもつ意味について取り上げたが、これはデモクラシーとシティズンシップに関する歴史及び現代を繋ぐ関心に研究に繋がるものであり、(3)現代との関わりでは、高等学校新科目の「公共」に関して執筆したほか、主権者教育における高大連携の可能性について学会のラウンドテーブルで話したが、これらはデモクラシーをめぐる現代的関心に繋がる研究として本研究に繋がるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの関係で海外での資料調査が進められないため、また、学内業務でエフォートを十分避けなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
遅れてはいるが、昨年度は、本研究に繋がる研究を学会報告で行ったため、これを出発点として活字にしながら、研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの関係で出張費を使用しなかったこと、また学内業務による多忙のため、などが理由である。
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