研究課題
電子音響音楽と伝統楽器による器楽音楽の制作と分析に関して「音色・音響の思想」に視点を定めて研究を行なった。本研究は、Helga de la Motte-Haber hrsg.Klangkunstによる「音色」記述や、Denis Smalleyによる、聞く人の選択的聴取に基づく音色・音響の多層性の理論を先行研究として見据え、新たな局面を開いている。書籍「音楽と建築」に収録された論考「音楽に感じる空間」では、音楽と建築空間に関わる問題をプラトン、アリストテレスにおいて確認するとともに、Ernst Kurth とGisela Nauckの音楽空間論を論じ、テレマティック音楽の仮想的現実空間に言及した。新作音楽作品《Fogged River》での音色のコンセプトと作品構成について、先端芸術音楽創作学会会報15(2)に関連論文が掲載された。フランスのルーアン大学とのクセナキスの音響配置と空間表現の実際に関して、大阪万博での日仏共同作業の比較資料研究を行った。加えて日本の演奏家によるクセナキス演奏の特性研究を行なった。また、日本のサウンドパフォーマンスにおける音響と作品のコンセプチュアルな主題を考察する美学研究を行なった。これらによって三本の英語論文を執筆した(いずれも印刷中)。日本の伝統楽器である笙の音色や奏法に関する現代音楽の使用例を考察し、フランス国立音響音楽研究所IRCAMのセミナーにて講演を行なった。電子音響音楽作品および作品制作プロセスで生まれた音響データなどを、フィジカルな記録媒体からクラウド上のデータとして保存するためのデジタイズを行なった。
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
建築と音楽
巻: 1 ページ: 147-161
Meta-Xenakis New Perspectives on Iannis Xenakis’s Life, Work, and Legacies
巻: 1 ページ: -
https://www.ircam.fr/agenda/sheng-lorgue-a-bouche-seminaire-17/detail