「林又一郎旧蔵フィルム」の詳細解明は、映像、音声、演劇雑誌、演劇台本など、演劇に関わる様々な資料に関する知見を総合集大成した形で、国立映画アーカイブ上映会に参集した一般観客に対して、学術成果を還元する働きをなした。同様に国立映画アーカイブでの招聘公演「歌舞伎役者としての澤村四郎五郎」においても、演劇資料を駆使することで、映画との関係性を浮き彫りにして、学術成果を一般に還元した。 その他、英語歌舞伎および在外歌舞伎の研究は、今後の大きな課題として隣接諸分野を巻き込む新領域を想起させた。いずれも、演劇研究に端を発して、文化交流、地域研究など、諸分野との関係を密接なものとした。
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