研究課題/領域番号 |
21K00134
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研究機関 | 多摩美術大学 |
研究代表者 |
笠原 恵実子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (40740692)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | コロナ禍 / 日本美術史 / 文化人類学 / アイヌ / 沖縄 / アメリカン・インディアン / アースワーク / 戦後アメリカ美術 |
研究実績の概要 |
2021年度は 国内文献調査及びアースワーク作品を訪問・撮影するフィールドワークを予定していたが、コロナウィルス感染状況が沈着していなかったため、渡米することができず、結果、本来の予定であった4月から1月中旬までを国内でのアースワーク作品、及び先住民文化の文献調査と、美術史・文化人類学・民俗誌学の研究者との情報共有を、一年をかけて行うこととなった。3月に三週間かけて、スパイラル・ジェティー(ロバート・スミッソン作)、サン・トンネル(ナンシー・ホルト作)、ライティング・フィールド(ウォーター・デ・マリア作)、ローデンクレーター(ジェームス・タレル作)、ダブル・ネガティブ(マイケル・ハイザー作)を訪れ撮影をするフィールドワークを遂行する予定であったが、それをキャンセルし、同時に、」3月末に開催予定であった研究報告会(五作品とその制作者について発表をする予定)も頓挫した。 こういった事情から、2021年度の研究は進展の遅延のみが際立ち、これといって実績としてあげられるものはない。他方で、国内の美術史家や文化人類学者との情報共有を深める時間は多く、またその機会にも恵まれ、本研究についての意見交換が進んだ点も挙げられる。特に、国内の戦後美術史とアメリカ戦後美術史との比較、アイヌ史・沖縄史とアメリカン・インディアン史との比較の二点は大変重要であることと考えるに至り、今年度も継続して検証していくこととする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度はコロナウィルス感染状況が沈着しておらず、予定したアメリカ合衆国においてSpiral Jetty、Sun Tunnels、The Lighting Field、Roden Crater、Double Negativeの五つのアースワーク作品を訪れ撮影をするフィールドワークを行うことができず、また、その研究報告会も開催することができなかったため、研究の進捗状況は遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、2021年度から2023年度までの三年間の研究期間によって達成されるものとし本来計画をされていた。しかし、2021年度にコロナウィルス感染状況が収まっていなかった状況を受け、アメリカ合衆国においてアースワーク作品五点を訪問・撮影するフィールドワークを行うことができず、研究は大幅に遅延している。よって、本来2023年度までであった研究期間を延長することを視野に入れ、今後の研究推進を図りたいと考える。 具体的には、1)、2022年度2月からアースワーク作品を訪れるフィールドワーク1の準備を行い、3月中に、Spiral Jetty、Sun Tunnels、The Lighting Field、Roden Crater、Double Negativeを訪れ撮影をするフィールドワークを遂行する。2)、2023年度の7月中旬から8月と2月から3月中旬の2回に分けてアースワーク作品周辺の先住民居留地を訪問し、2022年度フィールドワークで撮影したアースワーク作品について、先住民の方々と話をする機会をもつ。また、その様子を映像に収めるために、事前に撮影許可などの準備を行う。3)、2024年度 はドキュメンタリービデオの制作及び研究論文の執筆を行う、といった進め方となる
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度はコロナウィルス感染状況が沈着していなかったため、アメリカ合衆国においてアースワーク作品五点を訪れ撮影をするフィールドワークを遂行することができず、その分の旅費及び準備やその後の研究報告会などにかかる予算が、次年度使用額へとなっている。 本研究は本来2021年度から2023年度までの三年間で計画されていたが、研究期間の延長申請も視野に入れ、2021年度に遂行できなかったフィールドワークは2022年度内に行い、次年度使用額で賄うものとする。また、そのことにより、2022年度予算が次年度予算へとなると思われる。
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