研究実績の概要 |
国家宣伝における共感という感情について調査するため、感情と歴史の関係について、とくに「マス・エンパシー」、「社会意図的に共感(empathy)を起こさせるものに取り囲まれているというのは、現代社会に特徴的な文化現象である。本研究は、第三者によって創出・操作され、集団的に感じられる共感を「マス・エンパシー」と定義づけることで、近年一種のブームとなっている共感研究に文化史的視座を提供するものである。本年度の研究では、大戦間期のアメリカとソ連において、共感を「製造する」ことによって人々を惹きつける宣伝が生まれたことについて、「マス・エンパシー」や「社会的苦しみ」といったキーワードを中心として研究を行った。その成果の一部は、国際学会である第10回ICCEES世界大会にて、「‘The Entire Country is Watching!’: Propaganda of Simultaneity in the 1930s Soviet Union」のタイトルの口頭発表で公表した。(International Council for Central and East European Studies, Montreal, Canada (Online), Montreal, Canada)
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