研究課題/領域番号 |
21K00137
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
原田 真澄 早稲田大学, 坪内博士記念演劇博物館, 助教 (40580444)
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研究分担者 |
金 昭賢 早稲田大学, 坪内博士記念演劇博物館, その他(招聘研究員) (10755721)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 人形浄瑠璃 / 文楽 / 太閤記 / 古典芸能 / 近世演劇 / 歌舞伎 / 女流義太夫 / 三味線 |
研究実績の概要 |
当該年度は、研究代表者が①研究論文「疫病と近世演劇――東西興行界と安政五年」(『ロスト・イン・パンデミック 失われた演劇と新たな表現の地平』(春陽堂、2021年)所収)、②研究論文「古典演劇と近代の戦争劇――前衛から古典へ」(『新派 SHIMPA――アヴァンギャルド演劇の水脈』(演劇博物館、2021年)所収)、③原田真澄翻刻、義太夫節正本刊行会編「前内裏島王城遷」(『義太夫節浄瑠璃未翻刻作品集成(第七期)』(玉川大学出版、2022年)所収)の研究成果を発表した。 ①は安政五年に流行したコレラ(コロリ)が演劇界に及ぼした影響について、特に人形浄瑠璃関連を中心に研究を行ったものである。②は、人形浄瑠璃を中心とする古典演劇と近代の戦争劇について、図像資料を利用しつつどの様な意義があったのかを研究したものである。また③は未翻刻であった「前内裏島王城遷」を解題付きで翻刻した。本作は出羽座で上演された作品であり、これまで活動内容に未詳である点が多かった出羽座の研究進展に資するものと考えられる。 それぞれ①と②は、研究目的に挙げた「1.人形浄瑠璃図像資料の調査・研究」に、③が「4. テキストと画像のデータベース化と多言語での公開」に資するものである。 研究分担者は作品翻刻と飜訳を随時進めており、2022年度以降にオンライン公開を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的のうち、「1.人形浄瑠璃図像資料の調査・研究」、「2.主要太閤記物人形浄瑠璃作品の節章とテキスト異同の調査・研究」、「3.図像的要素・音楽的要素を考慮した複合的な近世演劇の太閤記物の作品・演出の研究」、「4. テキストと画像のデータベース化と多言語での公開」においてほぼ予定通りに順調に進展している。特に「1.人形浄瑠璃図像資料の調査・研究」、「4. テキストと画像のデータベース化と多言語での公開」については進展著しいため、おおむね順調に進展していると言えよう。
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今後の研究の推進方策 |
今後は「2.主要太閤記物人形浄瑠璃作品の節章とテキスト異同の調査・研究」、「3.図像的要素・音楽的要素を考慮した複合的な近世演劇の太閤記物の作品・演出の研究」に注力しつつ、「1.人形浄瑠璃図像資料の調査・研究」、「4. テキストと画像のデータベース化と多言語での公開」についても研究を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、研究計画で予定していた出張を取りやめにしたため次年度使用額が生じた。2022年度以降に支出する予定である。
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