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2023 年度 研究成果報告書

19世紀の日本における絵具素材の移り変わり

研究課題

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研究課題/領域番号 21K00155
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01060:美術史関連
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

島津 美子  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10523756)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード手彩色写真 / 絵具 / 合成顔料
研究成果の概要

明治期に製作された手彩色写真の絵具を調査し、カイガラムシ由来の赤絵具(カーマイン)、合成のエオシン、メチルヴァイオレットなどが使われていたことを明らかにした。これらの絵具は、先行研究により明らかにされていた錦絵や仏像彩色に用いられた絵具と重複する。一方で、その使われ方は異なっており、錦絵では同系統の色相の絵具を混ぜたり、異なる色調を摺り重ねたりするなど、色表現が多彩である一方、手彩色写真や仏像彩色ではシンプルな色表現の場合が多かった。基本的に製作技法は従来のままであったため、それぞれの技法に適合した新しい絵具が選択され、用いられるようになっていったものと考えられる。

自由記述の分野

保存科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

江戸時代末期から明治初期は、欧米の科学技術工業の知識や製品が日本国内に急速に導入され、さまざまな技術書や経済や産業に関わる報告書が刊行されるようになった時期である。しかし、合成絵具のような販路の限られた製品についての記録は限られていたため、当時製作された彩色資料の絵具を分析し、実際に輸入されていた絵具を明らかにした。これらの絵具には、輸入元においては新材料でないものが含まれていた一方で、合成アリザリンのような欧米で多用された絵具は含まれていなかった。

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公開日: 2025-01-30  

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