研究課題/領域番号 |
21K00159
|
研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
中尾 優衣 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 工芸課, 主任研究員 (00443466)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | デザイン / 図案 / 工芸 / クラフト / 生活 / 美術 / 百貨店 / 近代 |
研究実績の概要 |
2021年度は、デザインと工芸に関する美術雑誌の文献調査を行ったほか、主に下記の2つの個別研究を進めた。 ①杉浦非水の旧蔵資料に関する調査およびデータベース化 将来的なデータベースの構築および公開を目指し、また管理しづらい形状の資料の保存のために、東京国立近代美術館所蔵の非水旧蔵資料のデジタル化を進めた。旧蔵資料に含まれる図版の中には、杉浦非水と渡辺素舟が編集した『実用図案資料大成』所収の図版と一致するものが確認でき、作品制作だけでなく出版活動においても非水の資料が活用されている状況が見えてきた。 ②中村富栄に関する資料調査 新工芸協会の結成メンバーの一人である漆芸家の中村富栄に関する資料を調査し、戦後間もない時期に「新しい生活」に適合した生活工芸がどのように生み出され需要されたか、具体的な事例を収集した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、予定していた調査をいくつか実施できなかった。そのため、資料収集等の進捗に若干の遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
文献調査の範囲をさらに広げ、主に百貨店で行われた工芸展や、百貨店の宣伝広告に用いられたグラフィックデザインの変遷などを中心に、これまで紹介されてこなかった戦前・戦後の具体的な日本のデザインと工芸に関する事例の発掘を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
遠方での調査に必要な電子機器の購入を予定していたが、コロナ禍で先方との調整がつかず調査が延期となったため。計上していた旅費と物品費は、次年度に使用予定である。
|