研究課題/領域番号 |
21K00187
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
田中 隆充 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20374861)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 継手 / 分解 / 組立 / 家具デザイン |
研究実績の概要 |
家具を組み立て、分解を行う際に必要な造形要素の難易度を知るための実験を行った。特に部品の一部に曲面を有することでユーザは組立を容易に出来るという仮説をたて、その実験を進めた。実験では組木として有名なルバンロックと同じ構造で部品同士の接触部分である接合部分とその近くに曲面をデザインしたルバンロックとを比較した。ルバンロックは6つの部品で構成されており部品の接合面は直面で構成されており,6つの部品はその接合面以外は同じ外観とサイズの直方体であることから,上述のように6つの部品でありながらも難易度が高い組木である。本実験では,オリジナルのルバンロックと,ルバンロックの接合部分の一部に曲面体を施した組木と接合部分の一部と接合部分に繋がる筐体部分にも曲面体を施した2つのルバンロックから展開させた組木のデザインを実験の標本として使用した。組立の実験に参加した被験者は30名であり,条件を同じにするために3種類のルバンロックの部品は全て同じ位置に設置(一列に部品を並べた)し被験者の組立については,録画を行った。被験者がどこの部分を注視し,さらにどの部品の箇所,組立プロセスでミスをしたかを記録した。記録を分析したところ,組立をする際に直面状態の部品に曲面状態の造形が一部にあることで,組立効率が向上することを確認した。分析は統計学的な手法と実際の録画による記録を基軸に行い,例えばユーザが家具の分解,組立の際に効率性を高めるためのデザインの考え方を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスで実験に支障があるが,学会発表や学会誌への論文の採択等,一定の成果を見言い出ししている。
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今後の研究の推進方策 |
プロダクト全般に使用後は消毒するプロセスが付加されており,本研究のキーワードである継手もその対象となりつつあり,消毒しやすい造形も視野にいれ,提案している研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスによる海外出張が緩和された際,国際会議への費用が発生する事と,実験を予定しておりその実験備品の購入を予定している。
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