研究課題/領域番号 |
21K00204
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
黒木 宏一 九州産業大学, 経済学部, 准教授 (00618150)
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研究分担者 |
外園 智史 九州産業大学, 経済学部, 准教授 (40611570)
井上 寛 九州産業大学, 経済学部, 講師 (60791027)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 伝統的工芸品 / 伝統工芸品 / 小石原焼 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、次のことを明らかにすることにある。すなわち、①伝統工芸品の指定制度の認知、②指定の具体的な内容の認知、③産地や特定の作家の持つイメージ(=ブランド認知)、④以上各号と消費者の基本属性との関連性。以上のように、伝統工芸品の購買意思決定時の参照情報の一層の解明を試み、需要構造を正確に捉えることによって、当該産業の振興施策の発展や輸出戦略を検討するうえで有意義な示唆を与えたい。 本年度は、福岡県朝倉郡東峰村の小石原焼、高取焼、並びに大分県日田市の小鹿田焼の窯元や販売所を視察した。概ね①代替わりによる作風の変化、②女性作家の活動の状況、特に他の伝統工芸とのコラボレーション、③江戸期から現代にいたる作品の変化、④現在の製品について品質のばらつきや流通の4点について確認し、研究資料の収集を行った。また、これまでの研究で取得した調査データ(1,078サンプル)から明らかになった内容を取りまとめ、研究会で報告した。この報告では、調査データの単純集計結果を用いて、伝統的工芸品の小石原焼を知っていると答えた人であっても、伝統的工芸品指定技術・技法の認識の一部に指定内容と誤った理解が見受けられることを指摘した。 なお、当初の研究実施計画では、本年度に分析結果をもとに学会発表を行い、検証の精度を高めたい。学会発表の結果を踏まえ研究の含意を論文にまとめたいとしていたが、研究代表者の業務多忙により完結できなかった。次年度は、これまでの成果を補強のための調査の実施と、成果の取りまとめを行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者のその他の業務の多忙により、研究遂行に想定以上の時間を要したため、補助事業期間の延長を申請するに至った。このため、「やや遅れている」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果を補強のためのウェブアンケート調査の実施と、成果の取りまとめを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
教育活動をはじめとする学務への対応に迫られたため、計画していた調査を実施することができなかった。そのため、次年度使用額が生じた。次年度は「今後の研究の推進方策」に記載の研究を予定しており、次年度使用額はその経費に充てて使用する計画である。
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