研究課題/領域番号 |
21K00215
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
石川 優 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 特任助教 (80725036)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ポピュラー文化 / アダプテーション / パロディ / 二次創作 / メディアミックス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ポピュラー文化における「パロディ」、「二次創作」、「メディアミックス」という、重なりつつも異なる文化実践を「アダプテーション」として包括し、それぞれの表現構造と相互作用を調査・分析することで、ポピュラー文化においてアダプテーションが生成される力学について考察することである。2021年度は文献調査を中心的におこない、(1)日本の商業メディアにおけるメディアミックスならびにオーディエンス(読者、視聴者、観客、消費者)が主な担い手となる二次創作に関する歴史的・現在的研究、(2)英語圏のメディア研究におけるトランスメディア・ストーリーテリングやシリアル・ナラティヴに関する理論的研究を検討することをつうじて、日本のポピュラー文化におけるアダプテーションの特殊性と類似の文化実践への敷衍可能性について考察を深めた。(1)におけるメディアミックスと(2)におけるトランスメディア・ストーリーテリングに通底する点として、オーディエンスがアダプテーション総体に能動的に関わること、ひいてはそのようなオーディエンスの能動的な参加がマーチャンダイジングの過程に組み込まれていることなどが挙げられるが、現代における日本のアダプテーションでは、とりわけキャラクターに注目が集まりやすい。本年度はこうした特徴をめぐる先行研究の調査、資料収集ならびに予備考察を実施し、その成果の一部を口頭発表(2022年2月ならびに3月公表、計2件)と書評等の執筆(2022年3月公表、計2件)をつうじて公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によって、当初予定していた遠方の資料館への出張が困難となったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、当初計画の遂行に加えて、2021年度に実施できなかった資料調査を実施する。感染状況によって遠方への出張が困難となる場合は、研究代表者の居住圏内にある資料館を中心として資料調査を実施し、滞りなく研究を遂行できるよう努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響によって国内移動が制限され、旅費の執行が困難となった。それに伴い、出張先で収集した資料を整理するための謝金と物品購入費の執行も大幅に縮小せざるを得なかった。以上より、2022年度は研究費を国内旅費、資料整理にかかる謝金、物品購入費、ポピュラー文化およびアダプテーションに関する研究図書購入費に充当する。
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