発声する本人の歌声が実際にどのように第三者に聴こえているかを客観的に理解させることは、声楽指導の上で困難かつ、技術向上の為の要となる大きな課題である。可視化した音声データを歌唱指導に用いる事で、普段聴覚を中心とした各々の感覚を抽象的なイメージに頼りがちな学習者の音声への理解や印象に大きな影響を与える事が確認出来た。歌声は、口だけでなく頭頂部や胸部、背面など実際には様々な方向に響いており、逐一音声を可視化することで実際の歌声と本人の感覚的な齟齬を客観的に理解することに大きく役に立ち、効率的な技術習得に繋がることが確認できた。以上は、今後の声楽学習の新たな可能性として応用に値するものと考える。
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