研究課題/領域番号 |
21K00220
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
岡本 直子 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (50389615)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ギター / 音楽療法音楽療法 / 受動的音楽療法 / メロディ / 合奏 / 教示 / 実験 / 気分 |
研究実績の概要 |
音楽療法は音楽聴取を主とする受動的音楽療法と、歌唱や器楽演奏などを主とする能動的音楽療法に大別される。能動的音楽療法では、セラピストが奏でるメロディに合わせて協力者が簡易楽器でリズムを鳴らすなどの活動が多いが、その簡易さから協力者が物足りなさを感じる場合もあるという指摘もなされている。過度に難度の高い活動は参加者の負担となるが、演奏しやすいメロディの準備や、演奏に最低限必要な技術の教示などの工夫を行えば、参加者はこれまで触れたことがない楽器と出会い、演奏を楽しめるのではないだろうか。そして、能動的音楽療法の活動の幅は広がるのではなかろうか。 この問題意識から、申請者は、メロディ選定や教示を工夫し、協力者が未経験の楽器を演奏するというアプローチの可能性に目を向けた。楽器は、音色がやわらかで持ち運びも容易なクラシックギターを選定した。そして、従来の能動的音楽療法のアプローチと比較し、その特徴や、プロセスを経てどのような気分変容やストレス変化がもたらされるのかを探求することにした。 申請者は2022年度後半に半年間渡米し、上記の研究を米国の大学で共同研究として実施する予定である。そのため2021年度は、受け入れ先の研究者と月3回のペースでzoomによるミーティングを行い、研究計画の精緻化を図った。実験のスケジュール、対象者、協力者の募集方法、指標の選定など、実験実施に必要な事項を詰めることができた。 2022年度の米国での研究は順調な運びとなると期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
新型コロナウィルス感染防止対策の関係上、対面実験は控えた。その一方、2022年度の米国での研究(実験)実施に向けて共同研究者と具体的に詰めることができ、全体の予定としては順調に発展している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は米国で実験を行う。その成果は2023年3月のMAR-AMTA(東海岸アメリカ音楽療法学会)カンファレンスにて発表する。2023年度は国内で同様の実験を実施し、日米の比較も踏まえて能動的ギター療法の作用機序について探求していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から対面実験を行わなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は2022年度後半の米国での研究にあてる。
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備考 |
New York State University Fredonia校の音楽学部准教授 Dr.Heeyon Choとの共同研究を実施する。
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