研究課題/領域番号 |
21K00221
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
郡 裕美 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 教授 (70780013)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 建築とアートの融合 / 現代美術家 / アーティスト / 建築設計 / パブリックアート |
研究実績の概要 |
2022年度は研究テーマに沿って、現代美術家の建築設計への参画プロセスとその効果に関する事例調査を行った。アートと建築の融合を実践しているアーティストのアトリエを訪ね、その制作過程と成果について聞き取り調査した。New Yorkでは、建築と融合するパブリックアートを多く手がけるアーティストNobuho Nagasawa、アート作品としてチャペルの建設をしているアーティスト Sook Jin Jo、建築的なテーマに着目して作品制作しているアーティスト Sarah Oppenheimerなど、様々な方法でアーティストがアートと建築の融合を実践している事例である。ブラジルでは、建築の空間認識を問い直すアート作品を手がけるアーティストRegina Silveira, 建築と領域をテーマに作品制作を手がけるアーティストGaio Matosへの聞き取り調査を行った。調査を通じて、アートと建築の融合には、実に様々な方法があることがわかり、今後さらに深く研究を進める必要があることがわかった。そこで、ブラジルでは、建築とアートの融合を実践している建築家Pasqualino Magnavitaの実作を訪ねて聞き取り調査を行うことで、テーマに対する理解をさらに深めた。 また、調査を通じて、パブリックアートが建築とアートの融合の一つの形であると仮定できることがわかり、その事例調査を行うことにした。ニューヨークの地下鉄や鉄道の駅舎の現地調査を通じて、同じパブリックアートでも建築との融合の度合いに違いがあることがわかった。2022年度に新しくオープンしたクイーンズ美術館とのコラボレーションで作られたラガーディア空港、また、ロングアイランド鉄道のグランドセントラルの新駅の建築物に施されたパブリックアートの事例などの現地調査を行うことで、新しい建築とアートの融合のかたちも探った。今後、それらの事例調査の分析を進める準備をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナのために当初予定していた調査研究が計画通り行えなかったため、2022年度に2度に渡り、海外での調査研究を行った。現在、そこで得た資料などの整理を行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度までに得た調査資料の整理が終わり次第、分析を初め、研究の成果をまとめたいと考えている。現在、分析を進めるためにはさらなる調査が必要なことがわかったため、現在、不足資料の入手をする準備を進めている。今年中に分析を終了し、研究成果をまとめたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で研究計画に変更がおき、当初予定していた計画が実行できなかったが、今年度で計画を実行し、当初予定していた予算を使用する計画である。
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