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2022 年度 実施状況報告書

林羅山の著作における漢籍依拠についての基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00269
研究機関中央大学

研究代表者

小野 泰央  中央大学, 文学部, 教授 (90280354)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード林羅山
研究実績の概要

『文章達徳綱領』に見られる宋明文論は、藤原惺窩の門下に受容された。『文章達徳綱領』の序文は堀杏庵が書いている。『文章達徳綱領』には、各文の文末に出典が記されているが、羅山が「惺窩先生行状」に「達徳録綱領若干巻」(巻四十「惺窩先生行状」)としていることも『文章達徳綱領』における典拠を理解していたことを示している。
羅山は別に、直接惺窩から文論を伝えられていて、惺窩言羅山筆の『梅村載筆』に「倒法」が記されている。例えば吉日兮良辰〈吉き日にして良き辰〉」「春与猿吟兮、秋与鶴飛〈春は猿と吟じ、秋は鶴と飛ぶ〉」を「朔に別れ晦に期す」とあるべきところを転倒させていることを示している。
韓愈の「春猿秋鶴」までが『夢溪筆談』『鶴林玉露』にあるとするが、それは実際に『夢溪筆談』巻十四「藝文一」と『鶴林玉露』甲編第一とからの引用で、そのうち、『楚辞』と韓愈の文は、『文章一貫』からの孫引きであると考えられるが、『文章達徳綱領』巻二「句法」に引かれている。
「句法」は那波活所にも伝えられた。『活所備忘録』巻十四・巻十八・巻二十では、『文章達徳綱領』巻二「句法[造語]」に示されている「造語」が論じられていることは、『文章達徳綱領』を理解していた証である。
以上のことを解明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍において、少し文庫調査が遅れている。

今後の研究の推進方策

文庫の調査を積極的に行っていきたい。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍において文庫調査が思うように進んでいない。

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公開日: 2023-12-25  

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